苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

評論

読書メモ:ジョージ・オーウェル(訳:小野寺健)『オーウェル評論集』(その2)

……むろん、小説家には、同時代の歴史をそのまま書かなければならぬ義務はない。だがその時代の大きな社会的事件にまったく目をつぶったままの小説家というのも、たいていは愚かものか正真正銘の白痴である。 「鯨の腹の中で」『オーウェル評論集』149頁

読書メモ:ジョージ・オーウェル(訳:小野寺健)『オーウェル評論集』(その1)

わたしはもっぱら彼の「本質的な思想」ばかりを論じて、文学的資質はほとんど無視してきた。だが作家というもの、とりわけ小説家は、当人が認めようと認めまいと、ある「本質的な思想」を持っているもので、その影響は作品の内部まで及んでいるのである。 「…