苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

ゲームで生じる野良への文句と対処法について 

 

 結論から言えば、ある程度までは野良への文句とかも言っていい、ただし相手に直接暴言とかはNG。

 相手に責任がある部分に不満を持つのは仕方ないが、逆に自分に責任がある場合反省すべき。

 できる限り、その場限りの不満・愚痴にとどめず、責任は誰にあって誰にないのか、自分にどうにかできた点はあるのかないかを考え、次に繋げるようにする。自分に責任がない部分は他の誰かのせいにしたほうが、精神衛生上も良い。

 という塩梅ではないだろうか。

 

 

 

 FPSを筆頭に対戦ゲームでは、知り合い同士でパーティとかを組まない限り、顔の見えない相手や野良とチームを組むことになり、結果として野良に対する愚痴が多くなりがちだ。そしてその手の話が出てくると、決まって「野良に文句を言うな」とか「パーティ組め」という反論が出てくる。

 コレ自体は、一見正しい。ただし正しい指摘であっても、適切な使われ方をしているとは限らない。前述のことを言っている本人が、野良でマッチした味方に対して迷惑をかける側であることすらあり得る。

 野良への愚痴というのは、得てして行き過ぎたものもある。しかしその多くは、「味方がしっかり協力してくれない」「明らかなトロール行為・利敵行為」「正当な理由がないのに途中抜け(仮にあっても残された側からすれば溜まったものではないが)」等、ある程度の理由あって生じる憤りからなされるもので、これ自体は正当なものである。

 それに対して「パーティ組め」「野良に文句言うな」は少々ピントがズレていることは否めない。更に「味方がゴミでも一人で全部何とかできないお前が弱いからよくない」的な発言も出てくる。これもそれ自体は正しい場合もあるが、決して万能な反論ではない。つまり、野良に文句を言うな的な主張は一面では正しいかもしれないが、「はい論破」的な不毛な対応として使われたり、根本的な解決にならない水掛け論を生むだけの有害な面が大きい*1

 無論、不満・愚痴自体にも穏当な表現が求められるとは思うし、IDを晒すなどをしていいかとなるとまたこれはこれで別の問題になる。答えなど安易に出すべきではないからこそ、場面場面毎の是非を考えるしかない。

 

 その上で対処法、というわけではないが、2つほど考えてみたい。

 1つは、不満・愚痴を少しでも良い方向にできないか。もう1つは、何が悪くてそこからどう改善できるかという方向にできないか。

 前者については、例えば不満・愚痴というものをより具体化することで、「Aという場合にBするのは基本的によくない」という戦術論につなげる。後者については、味方に酷い立ち回りをされた場合、「その責任は誰にあるのか、自分の動きとかでそれを避けることはできたか」を掘り下げ、「どこまでが自分のせいで、どこまでが相手のせいで、どこまでが誰のせいでもないのか」考えよう、というものだ。

 

 もう少し詳しく。以下では私がよくプレイするAPEX LEGENDSで例えよう。

 前者については。APEXで言う所の「ピンも立てず単独行動したり不利位置で突撃してダウンをとられた味方が、ピンを連打してきたり、『助けて』を連打したり、ビーコン連打をしてくる」を想像してみよう。私が一番キライなパターンであるし、遭遇するたび嫌な気分になるため、しょっちゅう愚痴を言っている。

 ここから何か見出すとすれば。

 ①プレイヤー全体への教訓として、(1)しっかり味方と意思疎通をする、(2)ピンは適切に使う、過剰なのはダメ、(3)「助けて」や「ビーコン連打」はまだ戦ってる味方の邪魔になるし、味方の善意を強要してはいけないといった話につなげる。

 ②自分自身への戒めとして、上述の(1)~(3)を極力心がける。

 ③ゲーム内での対策として、例えば(1)ピンがうるさかったらミュート(これをする時点で情報共有や頭数の面で既に不利を強いられるゆえ、不満が生まれかねないが致し方ない)、その上で(2)そこから勝てるように自分の腕と知識を総動員してそのマッチを戦う、それでも無理そうなら(3)ペナルティが無い限り退出する。本来ゲーム側としては迷惑をかけられた側のための途中退出機能であるはずだが、実際には迷惑をかける側に悪用されてるのが現状。そのため、こればかりはユーザー全体の声が多数にならないとどうしようもないが(4)ゲーム開発・運営側にそういう迷惑行為に対するノーを突きつけてもらうしかない。

 少し話はずれるが、この③-(4)について。APEXでは最近マッチ放棄にも通報項目が導入された。どのくらい実効性があるかは疑問だが、運営側として正当な理由のない途中抜けを問題視していることは表明された。だがPC版はともかく、PS4版ではプレイしてる方はご存知の通り、相手のプロフィール画面に飛ぶ仕様になっている(2021年5月現在)。

 これはほぼEA(Respawn)の怠慢である。SONY(SIE)はPSNの機能を用いた迷惑行為(いわゆるファンメやパーティVCでの暴言)は管轄しても、APEXというゲーム内には基本的には関知しない。そのためゲーム内のことはゲーム開発側が担当すべきであるが、現状PS4におけるEAの対策は怠慢と言う他無い。善良なユーザーを守らないのはいかがなものか。

 

 話を戻そう。前述の話の後者について。またまたAPEXで言えば、「味方が安置外の敵を追いかけて逆襲されたorそこから漁夫で全滅」「安置ないかつ有利ポジションにいたのに味方がそこを放棄して勝手に突撃した」的なシーンを想像して欲しい。

 この場合、多くの方が「(いわゆる)戦犯のそいつが悪い」と思うだろう。私自身もそこは否定しない。

 ただその上で。どうすればそれを防げたのか、すなわち、「どこまでが自分の責任で、どこまでが相手の責任で、どこから誰の責任でもないのか」という話も考えることは有益かもしれない。

 種々のパターンが考えられる。まず、いわゆる戦犯プレイをした人間に責任があるとしよう。それが自分なら反省すべきだろう。相手がしたなら暴言という形をとらず、「こうするのはよくない、次はこうしよう」とより建設的な形での指摘をすべきだろう。相手にも言うべきかは人によって意見が分かれるだろうが、私はたとえ野良だろうとよくないプレイやバッドマナーについてはガンガン指摘すべきだし、己自身もそれを甘んじて受け入れるべきという立場だ。

 もう少し具体的に。「野良Aがいきなり有利ポジを放棄して戦闘をしかけた」。たしかに責任はその野良Aさんにあるかもしれない。諸々の状況次第だが、ここでは自分視点で突撃する理由がないのにAさんが有利ポジを放棄したという場合を考えよう*2

 Aさんが直接の責任を負うとして。その前に自分は何かできなかっただろうか。例えばここを守るとか防衛するというピンを立てたか、あそこを監視するというピンを立てたか。Aさんに信頼されるような行動をしていたか(アイテムとか移動ルートに関して)。その辺りが上手くいってなかったら、信頼関係構築という点で自分にも一部責任はある。そこを省みよう。

 もちろんこれは、どっちが最初の原因かを争いはじめ、水掛け論にもなりかねない。あるいは、そもそも開幕からAさんがピンを刺さないで勝手に行動する唯我独尊タイプとか、JM譲渡してきたり全然ピンを刺さなかったりと主体性が見受けられないのにそこでだけ急に意思表示をはじめたとかどうしようもない場面がある。もうその場合、相手のせいにしてよいと思う。自分の働きかけで改善しうる可能性があったなら、そこは憶えておくべきだが、それでもどうしようもない場合は相手のせいにしてよい。

 あるいは、誰のせいでもないパターンもある。極論、安置の形とか他部隊の動きとか、何なら漁夫に来た更に他の部隊の動きというのも絡む。自分とその仲間、更に相手、更に第三者すら常に合理的に行動するとは限らない以上、「誰のせいでもない場面」は出てくる。その際は、きっぱりと割り切り、次そうならないようにしようくらいに留めるべし。

 

 以上、私なりに考えを述べてきた。まとめると、ここまで述べたことは、ある種のメンタル管理法として考えてもよい。自分に責任がある部分だけ受け止めて反省して、それ以外は背負い込まない。相手に責任がある場合、極力穏当なやり方で改善を促し得るならそれを行うべき。それ以外は誰のせいでもないとしてきっぱり割り切る。これ以外にはないのではないか。

 敵に負けてダウンするとしても、それまでの過程で印象は変わる。自分側に落ち度や反省点がある部分とない部分の割合があるとして、前者については次に活かして、後者の責任は負わない。これに限る。

 不思議に思うのは、「野良への文句を言うことを怒る人々」は、その文句を言う人に全ての責任があるかのような言動をすることだ。たまたま頭のおかしい人と組んでしまったことすら100%その人が悪いかのような言い方をするのは、間違いだろう(本人の努力とか頑張りで全てが良くなると吹聴する怪しげな文句を標榜する集団の人でもあるまいし)。ダウンして「助けて」連呼やビーコン連打のような味方のことを考えない身勝手な人間は、そいつが悪いに決まっている。

 根本的な立ち回りが酷いとか初めから連携する気がない人は100%相手が悪いことにしてしまっていいと思うし、安置外まで追いかけてくる漁夫とかもうどうしようもないパターンもある。自分に責任がないと感じたなら、そこはもう相手や他の第三者、安置運とかのせいにしよう。というと些か自分勝手に聞こえるかもしれない。しかし、全てをプレイヤー本人のせいに帰するのではなく、どこまでがそのプレイヤーの責任か考えるのも有用ではないだろうか。

 結局の所、自分にできる範囲を心がけ、適切に付き合うしか無い。自分が頑張る過程で必然として、他の人間への愚痴は生まれるがそれ自体は人として当然だ。後はその不満がどれだけ正当か、独りよがりではないか、そして責任は誰にあって、誰にないのかを考えることが大事なのではないか。

  もっと簡単に言うと、誰かがダウンすること自体は責めるな。でもそれまでの過程が酷すぎたら文句言ってもいい。逆に自分がダウンするまでに酷い立ち回りしてたら反省しろ。ダウンしてから「助けて」とかビーコン連打する奴は、どう考えてもそいつが悪い。以上。

*1:途中抜けに対する文句や不満に対して、「即抜けされるお前が悪い」だの「途中抜けに文句言うやつばかりだと界隈が息苦しくなる」とかネットスラング風に「即抜け警察だ!」とか言って反論した気になる人も少なくないと言えば、その異様さも理解いただけるかもしれない。

*2:逆にAさんからすればそれなりに合理的な理由があるパターンもある。敵一人がバッテリーを使っていたりとか、アーマーを割っていたとか。もちろんそれでも意思疎通しにくいのにリスキーな選択をしている点は責められるべきかもしれない。そもそもフルパーティを組んでいない限り1ダウンをとらないで詰めるのは危険であるし、有利ポジを放棄するまでしての価値があるか、など色々考えるべきことはある。