前回に引続き、かんぱに☆ガールズの思い出を振り返っていきたい。今回は、その2として思い入れの深いキャラクターを何人か取り上げていこう(以下、本文は画像多めなので注意)。
この冒頭部分を書いている段階では、一応その2で収める予定である。ただ取り上げるキャラクター数やスクショを貼る都合とかも考えると、あまりに文量(と分量)が多くなりそうなら、その3以降もつくる必要があるかもしれない。
(2021/6/26:ティナの項目の末尾に若干、追記)
(前回↓ この記事の執筆に合わせて、前回の記事にスクショとキャプションを大幅に追加した)
bitter-snowfall.hatenablog.com
リド・クロムウェル / エレナ・アリオスト
折角なので一番好きなキャラクターから。
リド・クロムウェルは本名、エレナ・アリオスト。レマルギア公国の騎士学校が、レマルギア公爵ことヴラドにより平民にも開放された新体制・第四期の主席卒業生である。平民出身ながらも天賦の剣才により、在学中から「未来の英雄」と称されていた彼女は、直接本人を知る後輩(第六期)フランチェスカや、既に本人が騎士学校を去った後の後輩(第七期)リーリアが述べるように、当時から生きた伝説級の人物であった。
しかし、公国統一戦争の最中。リド平原での初陣に際して、本人曰く「油断」「高慢」から致命傷を負う。
戦場での追い剥ぎに剣や鎧を剥ぎ取られる恥辱に舌を噛んで死ぬこともできない絶望の最中、本来火薬等の爆発が起こらないミステリオにおいて発生した爆発により、左腕と右足を失うも、転移してきたエイダ・クロムウェルに助けられ、最終的には失った手足を機械の義手に換え、生き延びることとなる。
リド・クロムウェルあるいは巷の噂で幽霊騎士と呼ばれるようになってからの彼女は、初陣の日の悪夢にうなされたり、内心抱える自己否定感に苛まれている。
――とここまで聞くと、徹頭徹尾シリアスなのだが(実際その通りである)、作中登場する彼女を見ると、いい意味で驚くことになるだろう。以下はキャラクターストーリーEP1の冒頭(前述の悪夢)と中盤(傭兵会社に依頼したマナの採取)に差し掛かる辺りである。
この時点で素の彼女がどういうタイプかお分かりだろう。このように、過去や本名がかかわらない部分での彼女は、少し天然気味なだけの女性である。むしろ秘書やイベント時に登場する彼女は、この素の部分を謳歌していると言ってもいい。
社長に聞いた異世界のヒーローの話(改造人間や機械の身体という下りから、間違いなく仮面ライダー)の続きをせがんだり、そんなヒーローになりたいとの憧れを口にしたり、「カッコよさ」に惹かれるタイプの人間。
ひょんなことからヒーローショーに出ることになった際には、全力で取り込むと共に、子どもたちが憧れる「ヒーロー」について思いを馳せる。
しかしながら、いわばこれは表の面である。裏には先に述べたような、ヒーローへの憧れ(英雄願望)と、かつての自分を恥と思う感情に起因する自己否定感とが綯い交ぜになっている。
別ver実装時、公式ツイッターのキャラ紹介には次のような紹介があった。
【リド・クロムウェル】
— かんぱに☆ガールズ公式 (@kanpani_STAFF) 2020年4月5日
CV:#高森奈津美
イラスト:#refeia
性格:物静かだが口は回る/明るいが根は感傷的/頭の回転が早いが、早とちりも多い
特技:アクセサリー作り
好き:研究/設計/開発/小動物/社長の異世界の話(アニメ・特撮・映画等)
苦手:陰口/悪口/陰湿#かんぱに #じょぶぱに pic.twitter.com/jjsU7Ipw52
【【英霊騎士】エレナ・アリオスト】
— かんぱに☆ガールズ公式 (@kanpani_STAFF) 2020年7月5日
CV:#高森奈津美
イラスト:#refeia
性格:物静かだが口は回る/明るいが根は感傷的/頭の回転が早いが、早とちりも多い
特技:アクセサリー作り
好き:研究/設計/開発/小動物/社長の異世界の話(アニメ・特撮・映画等)
苦手:陰口/悪口/陰湿#かんぱに pic.twitter.com/SUFuFOyWJH
明るいが根は感傷的。言い得て妙である。
キャラクターEP2では伝説の騎士エレナ・アリオストのファンであり、卒論のテーマを「エレナ・アリオスト」にしたリーリアと出会う(ここで何かおかしいと思った貴方、貴方は正常です。)。
最初こそ、伝説の「エレナ・アリオスト」を前にして急に早口になるリーリアに対して、半ば引きつつ半ば狼狽えつつだったリド(至って正常な反応)。
からの。
念の為述べておくと、普段のリーリアはサバサバ&テキトーな風でありながら、その実生徒への面倒見はとても良く、生徒の教育のための手間を惜しまず、騎士学校の合宿旅行の下見のためにわざわざ先に予定地に長期間滞留して調査を行うタイプである。それがただの早口オタクになるくらいエレナ・アリオストはすごい。
そんなリーリアも憧れのエレナ・アリオストを前にテンションが上がる。
件の卒論はフランチェスカに聞き込みの手伝いをしてもらったこともあり、エレナ本人がよく調べていると思うほど。論文にこそ書いていないもののエレナの両親にあった際の様子から、リーリアはエレナの生存を勘付いていた。しかし勘ということもあり、そのことは卒論には書かなかった。本人曰く。
しかしこの言葉に対し。
このように普段は表には出さないだけで内心は、自己否定感や恥、居たたまれなさ等を常に抑圧していたことが分かる。
そんな彼女に対して。
リーリアは論文の写しを残して暇を告げる。残されたエレナはそこに書き込みがあることに気がつく。
作中での時系列上の位置づけは不明だが、なつぱに4stでリド・クロムウェルのエピローグを選んだ際、リドから「エレナ・アリオストの騎士勲章」が贈られる。このとき彼女は、かつていた存在のことを誰かに覚えていて欲しいと述べている。
これも1つの転機だったのかは不明であるが、先のキャラストーリーでのリーリアとの出会い、自身の生存を心から喜んでフランチェスカの存在、かつての自分が誰かの憧れとして生き続けていた経験が、本人の中で過去の自分の肯定へと変化していく。
そして2020年4月の「じょぶぱに1st」で実装された弓verのリド・クロムウェル(転職)時の活動、そこでのダグマルとの出会い(結局、「じょぶぱに2nd」なかったなぁ……)、先のキャラストで出演したヒーローショーでの経験や、これまで様々な形で「誰かにとってのヒーロー」というものを見てきたことが、心境の変化に繋がる。
それから2020年7月という驚きの速さで、満を持して円卓騎士13位に就任したのが【英霊騎士】エレナ・アリオストである。従来の機械の見た目の義手義足から、生身の手足に見えるタイプの義手・義足を装着して復活したエレナは、表では円卓騎士エレナ・アリオスト、裏では変わらず幽霊騎士リド・クロムウェルとしての二足の草鞋生活を送ることとなった――(幽霊と英霊で対になってるのは分かるけど、最初聞いたとき「死んでヴァルキュリアにでもなったの?」とか思いました)。
と、ここまでの話はいわば彼女の一面に過ぎない。今までは比較的シリアスな部分から彼女について語っていたが、ここからは半ばネタも込みで彼女の話をしよう。
このリド/エレナという人物。ご存知の方も多いと思うが、ポンコツというわけではないにしても、とにかく天然というか何かと子どもっぽい。
なにせ戦闘時の一番聞くであろう攻撃時のセリフからして、「Burn!」(恒常) 「ばっしゃーん!」(水着)「ばっばーん!」(転職)「ジャッキーン!」(EX)である(弁護すると他に普通の攻撃セリフもあったりするし、戦闘不能時や攻撃回避時は普通に天才剣士をしている)。
前述のキャラストからして、リス見てはしゃいでいる。
挙げ句に、転職やEXverのイベントでは「その理由は……」「理由は?」「カッコいいからです!」(クソデカ拡大立絵)のコンボをしてくる始末(シュトリーの同類)。
ついでとばかりに、転職verを使うとよく聞くのが。(戦闘終了で)「私は…この世界の為に、戦う」からの(クエスト終了)「んっ汚れちゃった…帰ってお着替えしなきゃ」(ちなみに秘書に設定して夜に帰社すると精神年齢退行ボイスで「来ちゃった」「ダメ?」のコンボが待ってる)
とどめとばかりに、EXverの秘書時。それまでの一人称は「私」であったが、ここでは一人称が「エレナ」となる。既にその片鱗はあったがとうとう精神年齢が退行し始めた。
念の為。騎士学校卒業+リド時代を含めると、彼女の年齢はどんなに若くても18~19歳、概ね20代前半から半ばであろう(かんぱには作中年月の経過はするもののキャラの年齢については意図的に伏せられているので何とも言えないが)。
この他。幽霊騎士(リド)としての活動時は、一応顔見知りのフランチェスカらと出会わないように避けたりと行動面で気をつけてはいる。いるのだが、キャラストEP1では我らがローズにあっさり「間違いない……あれはエレナ・アリオスト!」されたり、キャラストEp2の冒頭からして既にフランチェスカにバレている(もっともこれはメインストーリー第三部第七章Quest5で偶然出くわしたというアクシデントによるものだが)。
転職時もノリノリでやってたので、多分正体隠す気はあんまりないか又は本人はこれで隠せていると思っている説。言うまでもなく、エレナ・アリオストを知る人が顔見ればほぼ例外なく一発でバレているので、リド/エレナただのポンコツ説は正直否定できない(※冗談です でも「カッコいいからです」でリィンは理解不能になってたのでやっぱりポンコツ)。
ただまぁ、リド時代から内面の劣等感や過去の苦い記憶、EX時のセリフにある故郷に帰れないという思い(=本来の名前は取り戻せない)を抱えていたのが、円卓騎士就任で昇華され、内心の英雄願望も大いに満たされた結果、今までの反動から舞い上がって常にテンション・開放感MAXと考えればEX時の言動は然程おかしくはない。恒常時の少し控えめ・大人しげな様子→転職やEXの素を出したセリフというのもキャラクターとして矛盾しているわけではない。
ここまでシナリオ・キャラクター面を見てきた。次に戦闘面で見ると、リド/エレナは何だかんだ優遇されていたほうだと思う。恒常のスキルは機関砲(銃?)をぶっ放してから剣で突撃するというもので、正直こちらは☆5剣士という点で使いみちはあるものの火力面ではインフレに置いていかれていた(剣の天才感もやや薄い)。
それに対して、初期衣装社員の水着verは実装当時は文句なしの性能で、最終的な環境においても後衛に比べれば劣るものの、水属性の剣士キャラとして、恒常に比べれば大いに使い道があったと言えよう(これは前衛後衛問わずなつぱにの☆5キャラ皆に言えることかもしれないが)。
次に、転職。これは地属性の後衛キャラとしてぶっちぎりの強さを有していたと言える。同じくExも風属性の前衛キャラとしては、マルチ3体+単体+自身への防御バフに加え、先制と確率スタンまで付いてくるという破格の強さ。EX社員特性も1ラウンドの間、全体の物攻・物防をあげるので、これまた強力。
なんだかんだリド/エレナは恒常含め、全員異世界の魔物で使い道があるという恵まれたキャラであった(恒常は控え部隊や壁役起用になりがちであったにしても)。
ストーリー等でもクロムウェル研究所が関わるorクロ研関係者が登場するイベントではほぼ常連、メインストーリーでもそこそこ出番あり、と恵まれた扱い。第三部ではノイバウテンとの決戦時、テレンスの放つカリ・ユガ(作中で「アルノイアの悪夢」という街1つを消滅させた事件を引き起こした術式)に対してマナを吸収する魔導機関で耐え抜くという破格の役目を担う。その後の第十章でも、ヤマタノオロチ討伐の援軍の一人として参戦、と大いに見せ場は与えられていた。
その意味では、まだ掘り下げの余地があったにも拘わらずサービス終了を迎えてしまった魔郷のヘルガノン八柱、精霊郷周り、エクル、マグナート貴族(フローレンス、クランベリー隊長リズ)と比べると、十分な扱いだったと言えるだろう。例えば王国にしても、内戦後や王位継承者(アレクシア)、大臣就任後のアデリーナ等惜しまれるキャラは少なくない。
些かこじつけめいた話であるが、作中の傭兵会社以外にも”会社”類似の組織は存在する。ライバル会社こと、ショウ・フジヤマのフジヤマ・エンタープライズがその筆頭だが、クロムウェル研究所も似たような所がある(あるいはヴェルグのヴューゼ・ファクトリーも近いかもしれないが、実装されているキャラクターで所属しているのはヴェルグのみなのでここでは措く)。何だかんだ傭兵会社やフジヤマ・エンタープライズ同様、クロ研もある種の居場所であったわけである。もしも大紀行・クロムウェル研究所の第2弾としてリィンやクィンらのEXが来ていればまた出番が…とか思ってたりもした(過去形)。
ところで後半散々ネタにしたが、その1でも書いたようにかんぱに唯一のアンソロジーに収録されているGAN氏(当時。現、千里GAN氏)執筆の「決意の騎士」には騎士学校時代のエレナが描かれている。リド/エレナのキャラデザはrefeia氏なので、その意味でも珍しいものである。こちらで描かれるエレナ・アリオストは(フランチェスカフィルターの可能性はあるにしても)彼女の魅力200%増しなので未読の方は購読をオススメする(残念ながら電子書籍版はないため、画像等も引用できない)。
イーヴァ・スレイド
自分がかんぱにを始めたときは、丁度3周年とその前夜祭の頃だった(その1参照)。その当時貰えた無限の黒封筒で誰を引くか、悩んだ末イーヴァを選んだ。
理由として。まずメインストーリー第二部第三章で出てきた際の言動、ストーリ上の重要性、本人の意思にかかわらず引きこもりだけど、スキを見ては脱走する聖職者(cv. 榊原ゆい)は強い。後、当時の環境的と始めたばかりの自分のプレイ環境もあって、回復と全体攻撃を一人でこなせるヒーラーと聞いて迷わず選んだ。実際に、しばらくは秘書としてクエストに連れ回しつつ「帰ってくるたび、話をせがまれる」という感じ。
プレイ開始時から、お世話になったしキャラクターとしても思い入れの深いキャラなのだが、一方でシナリオ上の扱いはともかく、ゲーム上の扱いは年々不遇となっていった可哀想な子でもある。恒常の☆5キャラはインフレの被害をモロに受けた子も多いが、特にヒーラーキャラはインフレの煽りを一番に受けたと思う。
2017年当時、かんぱにの☆5ヒーラーはイーヴァも含め、ホリー、エアリス、ノナの4人居た。この4人は、それぞれのキャラスト武器の効果もあって、4人とも役割の異なる強力なヒーラーだったと言っていい。
具体的には、ホリーは全体回復と状態異常回復(EP1)か、マルチ3人回復と状態異常回復+物防バフ(EP3)。回復量は4人中屈指。
ノナは単体回復ながら蘇生も含めた全ての状態異常を治癒できるという点でこれまた強力。
エアリスは回復量はホリーに次ぎつつ、全体回復+物防バフ+状態異常回復が可能。これに加え彼女の武器「ノイエヴェルト」をカンカンすると、稀に「黎明の」という効果がつく。この「黎明のノイエヴェルト」により先制全体回復(+状態異常回復+防御バフ)という唯一無二の個性があった。
この3人に対して、イーヴァは相手への全体攻撃後に敵が残っていた場合味方を回復できるという点で、こちらもまた稀有なキャラだった(その分純粋な回復量としては他3人や☆4クレリックにすら劣る)。
このため☆5クレリックを選ぶ際、4人のうち誰を採るべきか?は割と悩ましい問題だった(もちろん☆4クレリックも選択肢に上がる子はいた)。その上で、自分はこの4人の中で一番好みかつ、戦闘面でも一石二鳥のイーヴァを選んだというわけだ。
しかしこの後、かんぱにのクレリック枠は大きくインフレする。2018年4月に実装された☆5のフローレンスは全体回復後に、ラウンドの最後に更にマルチ2体回復(おまけに状態異常も消せる)ができるという壊れスキル持ちだった。この時、ヒーラーの界隈の新顔にフローレンスが躍り出たことは言うまでもない。
それでもフローレンスの場合、まだ1強とまでは言えなかった。たしかに回復力と回数ではトップレベルでホリーやエアリスを食いかけていた。しかし何だかんだ先制回復に防御バフのできるエアリス、回復力と防御バフのできるホリー、単体ながら蘇生まで可能なノナ、攻撃も回復もできるイーヴァの中に、また選択肢が一人増えたと見ることも可能であった(え? 既にイーヴァは息してなかった?)。
しかし、2019年8月、EXノナこと【白銀騎士】ノナ・エインズワースが実装される。かんぱににおける真の転機。EX社員による超絶インフレ時代の幕開けであった(なおこの後、EXカミュ・ヒナノ・ユディタ・ビッキーらに始まる段階的インフレのノンストップ加速の怒涛の時代が来るが)。
EXノナの強みは、言うまでもなく固有武器のスキル「天技ラジャス」。内容は、味方3人への蘇生効果付きの回復後、味方3人への回復(状態異常も治せる)。この上、EXノナの固有特性は発動すると、ラウンド開始時、部隊全員のすべての状態異常(蘇生不可も含む)を回復できる。説明しよう、EXノナのスキルで社員を蘇生するとそのキャラには蘇生不可の状態異常がつく。しかしEXノナの社員特性は確率とはいえこれを打ち消せる。この効果は元々異世界の魔物との戦い中使用できる社長スキル(実質回数制限あり)でしか使えなかった。
もはや語る必要はあるまい。ただでさえフローレンスのときに怪しかったヒーラー間での強弱問題。それがEXノナの登場で本当の意味での一択が生まれた。後に、EXホリーやEXユーニスという別の壊れ選択肢も出たので、ヒーラーの選択肢は生まれた。
たとえ恒常キャラとしては居場所がないとしても、EXという点で見ればホリーやユーニス、ノナの選択肢は存在していた。恒常で見てもフローレンスも未だ強力。エアリスも先制回復という個性が残った。それにEXノナ複数体運用とかでも考えない限り、彼女らには別パーティでの回復役という点で出番があった。
しかし事ここに至り、イーヴァの場合、もはや火力も回復も中途半端なキャラであった。特に対異世界の魔物という観点からは、状態異常も消せない上、火力も回復も雀の涙にすらならないというのは痛かった。
そんなイーヴァも2020年1月の「ミステリオ大紀行 闇十字」にてEX化する。スキルは全体に魔攻バフを配り、マルチ3体攻撃と全体回復(+状態異常回復)が可能。社員特性でもパーティのPIE(主に回復量に関わる数値)をあげる。EXホリーの時間旅行や、EXユーニスの蘇生+攻撃バフなどと比べると、堅実に一応攻撃もできるヒーラーとして強化されたと言うべきか(でもどうせなら「世界の切り札」なんて二つ名に相応しく攻撃型ヒーラーとしてぶっ壊れても良かったのよ)。
キャラクターとしても、ついに軟禁生活から開放され、堂々と表に出ることができるようになり「私は自由~♪」と歌いまくる彼女(と「主は来ませり~からあげも来ませり~♪」と歌うカタリナ)の姿に心温まるものがあった。
互いにそれと分かるような言葉は発さないものの両親との再会を果たすこともでき(EXのキャラストーリーより)、スターシャ修道院のワインの宣伝とエルス神の伝道と人助けのため、友人のティナのように世界を歩くようになったイーヴァ。恒常・クリスマス時のいじらしさ100%の「まだ帰りたくない」「いつ帰ってくるんだろう」系のセリフを何度も聞かされた身としては、感無量であった。それはそれとしてクリスマスのカタリナといいどうして闇十字の聖職者は背中に十字架(本物)を背負うんだ。
何だかんだ恒常版の彼女の秘書時のセリフ、「あなた(社長)はこの世界に必要な人間」は、第四部の展開を知った上で考えると完璧に当たっていたことになる。このセリフが勘や洞察力故のものなのか、それとも下記の予知能力故のものなのかは不明である。惜しむらくは、折角開花した6秒先が見えるという能力(キャラストーリーでは60秒、6分、6時間、6日といった風に力が強まることで見れる範囲が広がるとされていた)が、ストーリー上(そして戦闘面でも)あまり活かされなかったこと。元々出番という点では、闇十字教会全体がノイバウテン関連に、イーヴァ個人にはエルス関連で役目があったと思われる。フローレンスと先代スレイド(イーヴァの前の闇十字の所有者)、三相天位・イスレとの関わりも含めると、実は彼女の出番は、ノイバウテン関連が片付いて、大紀行で旅に出てからが本番だったのかもしれない。彼女にはエルス神そしてルカとの関わりでもっと出番があったかもしれないことを考えると、本当に残念である。
ティナ・グレンヴィル
もはや説明不要。作中においてもおそらく唯一無二、信仰心のみで奇跡を起こすクレリック。
彼女の場合、特筆すべきは☆2時代のキャラクターストーリーだろう。必見である(サ終するから見れない? それでも見ろ)
キャラクターストーリーで出会った意思と記憶を持つスケルトン、ハヴェルとの出会いの顛末。最期を迎えるハヴェルとの会話の中、こんなセリフがある。
自らの行動の理由を「神の導き」とするティナに対し、ハヴェルはそれをティナ自身の「慈悲深き強い意志」によるものと応える。どうかこれからも貴女自身の意志で人を救っていって欲しい、と。
ハヴェルの消滅後、ティナはモニクに問う。神の意志ではなく、自分の意志に従って得られたこの結果は正しかったのだろうか、と。モニクは言う。ハヴェルの願いは、ティナ自身の意志に従って人を救うこと。その願いに応えて見てはどうか、と。
EX【神の末子】はこの出来事を経たティナだ。おそらく(実装時期ではなく)作中の時系列上はメインストーリー第二部中で傭兵会社に加入して(☆2)→キャラストーリーEp1とEp2でハヴェルとの出会いと別れを経験し、EXverという流れと思われる。基本的に、ストーリーで登場する彼女はExの姿である。
傭兵会社の中核メンバーはメインストーリーやイベントストーリーでも出番が多いが、その中でもティナ・アンナ・ロマナの三人には、何かと他者を導くという役回りを担うことが多い。ミステリオ大紀行等で登場する新キャラクターらは何かと己の道に迷っていたり、新しい環境に戸惑っていたりすることが多いのだが、そんな彼女らに助言をする役回りとして、上記三人が出てくることも多かった。
個人の印象によることは否めないが、特にティナの場合、そうした役回りを担うことが多かったと思う。アンナのベテラン傭兵として何かと事情通な所や、主に宿屋の娘としての経験に裏打ちされたロマナの観察眼と比べた場合、その微妙な差異というものが見えてくる。アンナやロマナはどちらかと言えば、迷いに対して「あれかこれか」ではなく「第三の道」、「急がば回れ」的な形で諭すタイプだが、ティナは悩みを抱える者本人の意志というものを尊重しつつ、諭す形を取るタイプといったところか。
そんなティナの真骨頂はEXverのキャラストーリーで描かれる。
かんぱにに登場するクレリックは、クリスティン院長を除いて、基本的には傭兵や生活のため治癒術を学んでいるというパターンが多い。そうでなくても、本来の職業は別にあるというパターンも多い。クリスティンやティナは貴重な聖職者タイプだが、クリスティンの場合、諸々の制約から本職(聖職者)以外のことをしていることが多かった。その意味において、作中において一貫して、純然たる聖職者として人の話を聞き、人を諭し導くという役回りを担っていたのがティナである。
少し話はそれるが、後に諸々の制約から開放されたクリスティンは、ようやく自身の望みに邁進することができるようになった。その一端が見られるのが、遅れてきた大型新人ことフラニー・ミラーのイベントであった(クリスティンはこのイベントでアニエス・サーガと共に、EX化することとなった)*1
習うより慣れろ式なアニエス、共に学ぶ式のサーガに対し、一歩下がって見守るタイプのクリスティンの三者三様であった。ある意味キャラに沿った指導方針である。逆に言えば、クリスティンはようやく本来の望みに近いことを果たせるようになったということでもあった。
何が言いたいのかというと、ティナもクリスティンも純然たる聖職者である。二人共、苦難を前にしても折れず、他者の善意と意志を信じ尊重するタイプである。おまけに共に「話の分かる」タイプである。何だかんだ蛇の道を知っているが故正しい道を選べるクリスティンに対し、ティナはまだ若いのに作中多くの人物に影響を与えている。かんぱににはこんな良キャラが二人もいたんだぞ、という自慢のような嘆きのような。
その1でも触れたが、ティナはメインストーリー第四部でウラディエナとの最終決戦にも同行している。ローズ・ジークというかんぱにの二大看板、主人公モニク、ヴァルキュリア(兼腕利き傭兵)のアンナという顔ぶれの隣にである。作中においても純然たる信仰心のみで奇跡(治癒魔法)を起こせるティナはイレギュラーな存在と言われているが、それでもこの人選は特筆すべきである。
これはライターが意図していたのか否か。何とも言えないが、人生の転機を経て、自らの意志に従い他者を救うようになったティナは、その後も信仰を捨てることも他者との関わりを捨てることもなかった。そんなティナが、ディメンション・ドライブをもたないことで他者との繋がりを否定したウラディエナに対峙していたというのは意味深長である。
その1でも述べたが、かんぱにでは少なくともストーリー中においてもレア度の高低が絶対的ではなかったと思う。もしもの話をしても仕方はないが、しかし次のことは考えてみる価値はあるだろう。終ぞアンナにはEXも衣装もなかったが、もし実装されていたとすればこれまでの例(テレージアやティナ)に倣うとおそらくレア度1つ上昇で☆4になっていたと思う。
だとすると、ティナは唯一☆3(元☆2)で最終決戦まで同行していたことになるし、アンナとて、元はさすがにローズやジークレベルではない(元)人間である。ティナやアンナが最終決戦メンバーにいた事の物語上の意味は決して小さくないと思う。
上の画像は、先のEXティナのキャラクターストーリーの締めの部分。ティナ自身の独白を借りれば、「他人を信じる強さ」「自分自身の意志」「受け継いだもの」を「救いを求めている誰かに受け渡して」「繋げ」る――。
得てして答えというものは、物語のかなり早い段階で示されている(いた)のかもしれない。
(2021/6/26 追記)
遅ればせながら、かんぱに☆ガールズサービス終了とのことで大変お疲れ様でした!こんなに長い間お付き合いさせて頂いた作品は他にないので、私としても大変思い入れ深い作品になりました。キャラクター達をかわいがってくださってありがとうございました👏 https://t.co/Fjo59xilQB pic.twitter.com/149rKE1a4B
— 都嵩🐼 (@dropcloth1122) 2021年6月17日
(以上)
今回はリド/エレナ、イーヴァ、ティナの三人(+エアリスやクリスティンといったキャラ)を取り上げた。意外なもので、この三人について語るだけでも前回のその1とほぼ同じくらいの文字数となってしまったし、スクショの画像だけで今月のはてなブログのファイル利用量の45%を使った。
この三人を選んだのは、好みもあるが、作中での彼女らの行く末について述べることが、かんぱに☆ガールズのシナリオ・キャラクターのテーマを表すのに適切である、とも考えたからである。無粋を承知で敢えて言うなら、人生の転機(再起)・人助け・意志の強さであろうか。果たして、この見立ては成功したのだろうか。
機会と時間があれば、その3など何か適当な題名で続きが書かれるかもしれない。
(次回↓)