苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

@イグニスターのすすめ【遊戯王マスターデュエル】

 

 遊戯王マスターデュエルで私が愛用している【@イグニスター】についての知識や展開ルートとかをまとめておく記事。

 筆者は、紙の方の遊戯王はプレイしていないが、マスターデュエルでは2022年5月~10月までダイヤ1維持、2回のデュエリストカップでは5541位(2022 Aug.)と5051位(2022 Dec.)。リンクReg.でもダイヤ1達成している。なので、そこまで的を外れたことは書いてない(はず)だろう。

 

 1/22追記:斬機サーキュラーが実装されたので2ヶ月ぶりにダイヤ1まで登った。ダイヤ5からダイヤ1まで大体40戦*1

 

 マスターデュエルを前提にしているので、基本的にはシングル戦を想定。 

 

 

基礎知識:概要

【@イグニスター】は、アニメの遊戯王VrainsのAiというキャラが使用したカテゴリで、儀式・融合・シンクロ・エクシーズ・リンク召喚を使い分けつつ、完全耐性モンスターを出すというコンセプトのサイバース族のデッキ。アニメのファンデッキとしての性格をもちながら、展開の安定性と火力の高さをもつ点から愛用者も多い。

 

 とはいえ、マスターデュエルはコイントスと確率と乱数がゴミクズ通り越してわざとやってるレベルの酷さなので

コイントスが裏しか出ないままやっと表が出たらまた裏が連続

・1枚のみ投入している非展開札が初手で固まる(例、ダンマリ、Aiドリング・ボーン、キAi、イグニスターAiランド、墓穴)

・先攻で墓穴、羽箒、レッド・リブート、Aiドリング・ボーン、抹殺みたいなゴミ手札を引く(しかもコイントス裏連続で連敗した後)。

 

のような悪意かチートを疑うような現象が立て続けに起こることもある。これは今のランクマッチが試行回数を積み重ねる必要がある上、一度負けると勝ち星がムダになるというロクでもない仕様なので、悪い例が目立つ・印象に残りやすいということでもある。

 ただ使えば分かることだが、別に【@イグニスター】は事故りにくいデッキではない。

 また先程、ファンデッキとしての性格を持つとは言ったものの、実戦においては儀式モンスター・儀式魔法は安定性を欠く観点からデッキから抜けがちで、融合モンスターもエクストラ(EX)デッキの枠が足りないことから使用されないことが多い。

 そして、サイバース族は展開力が高い反面、プレイヤーに対し「この効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない」、「この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない」といった独特の制約がかかることが多く、相手の永続罠によるロックにも弱い。

 さらに【@イグニスター】は、たいてい最初に下級モンスターの通常召喚をして効果を発動するという展開をするので、着地狩りには弱いし、罠ガン伏せにも弱いし、各種手札誘発に弱く、特に増殖するGの効果を通されるとその場で止まらざるを得ないという明確な弱点がある。

 一妨害程度なら複数枚初動を引いてれば超えられるも、そうでなければ沈黙する。そしてこれも勘違いされがちだが、他のデッキのように初動や上振れ札を多く引く=最終盤面に妨害を多く残せるわけではないことに注意を要する。

 詳しい内容に入る前にネガティブなことを述べたが、この辺りを理解していないと多分使ったときにギャップが生まれてしまう。予め、頭に入れておいたほうがよい。

 

基礎知識:メインデッキのモンスター

 各カードの具体的なテキストについては、遊戯王Wikiも参照。

 

アチチ@イグニスター

 

 

 初動4種類の1つ目

 3積み

 (1)の効果でレベル4以下の「@イグニスター」をサーチ。(2)の効果で、自分のサイバース族モンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に墓地のこのカードを除外することでその自分のモンスターを破壊できる。

 

 基本的には(1)でピカリ@イグニスター、ドヨン@イグニスターをサーチする。アチチを通常召喚するルートならピカリを、最初にめぐりAiを発動したならドヨンをサーチ。状況に応じて、ブルル@イグニスターをサーチすることもある。

 

 マスターデュエル特有の仕様を活かしたところでは、アチチの効果発動時に相手に優先権が移った(無限泡影や灰流うららがある可能性が高い)なら、ヒヤリ@イグニスターをサーチすることでイグニスターAiランドを確実にサーチできるルートがある(※リングリボー必須)

 ヒヤリを特殊召喚し、アチチでリングリボーを特殊召喚、ヒヤリの効果でリングリボーをリリースし、ガッチリ@イグニスターをサーチ。ガッチリを特殊召喚して、ガッチリでダークインファント@イグニスターを特殊召喚、チェーン1にインファントの(1)の効果、チェーン2にガッチリの(3)の効果と組むことで、相手の灰流うららを回避できる。無限泡影が飛んできたら、墓地のリングリボーの効果を発動してインファントをリリースすることで、対象を取る無限泡影の効果を空振りさせることができる。

 

 (2)の効果は、インファント棒立ちでターンを渡したときや相手がこちらのモンスターに攻撃を仕掛けてきたときに少しでもダメージを減らすことができるだけでなく、戦闘を介する必要がある閃刀姫ハヤテやヌメロンモンスターの効果を不発にしたり、自分のサイバース・クアンタム・ドラゴンの(2)の効果を確実に通すためにチェーンを組むといった活用方法がある。

 

ピカリ@イグニスター


 初動4種類の2つ目

 3積み

 (1)の効果で「Ai」魔法・罠カードをサーチし、(2)の効果で自分フィールドの「@イグニスター」モンスターの1体のレベルを4にできる。

 

 ピカリの(1)の効果は基本的に、次の4種類の使い方をする。

 ①アチチでサーチしたピカリの(1)の効果でめぐりAiをサーチし、さらにドヨン@イグニスターをサーチ。

 ②ピカリを通常召喚して効果を発動、めぐりAiをサーチしアチチをサーチ、アチチでドヨンをサーチ。

 ③ピカリを通常召喚して、イグニスターAiランドをサーチ。

 ④ピカリでAiドリング・ボーンかキ-Ai-をサーチ。

 

 (2)の効果は、EXデッキからライトドラゴン@イグニスターやアップデート・ジャマーを呼ぶために重宝する。

 

ドヨン@イグニスター


 (1)の効果で墓地の「@イグニスター」を回収、リンク召喚の素材として墓地に送られたら(2)の効果で「Ai」魔法・罠を回収できる。

 

 非常に汎用性が高く、(1)の効果で最初に通常召喚したアチチかピカリを回収するだけでなく、ダークインファント@イグニスターをEXデッキに戻してそのままリンク召喚することで(2)の効果を発動する、ブルル@イグニスターで墓地に落としたモンスターを回収することが可能。

 (2)の効果も優秀で、次の自分のターンの展開札になるめぐりAiだけでなく、Aiドリング・ボーンやキ-Ai-の回収が可能。

 (2)の効果を最大限活用すれば、①相手のターンにAiドリング・ボーンでドヨンを蘇生し、次のターンにリンク素材にすることでAiドリング・ボーンを回収したり、②めぐりAiでサーチしたドヨンで通常召喚してダークインファント@イグニスターを出すことで、チェーン1にインファント、チェーン2にドヨンの(2)の効果と灰流うららをかわしつつイグニスターAiランドをサーチできる。

 

ブルル@イグニスター

 


 (1)の効果でデッキから「@イグニスター」を墓地に送り、サイバース族のシンクロモンスターのS素材として墓地へ送られた場合、(2)の効果で「ブルル@イグニスター」以外の自分の墓地の、そのS召喚の素材としたモンスター1体を対象として特殊召喚できる。

 

 通常展開では(1)の効果で下記のダンマリ@イグニスターを墓地に送ることが多い。その他にも、ガッチリ@イグニスターを墓地に落とす、めぐりAi初動ルートでピカリまたはドヨンを墓地に落とすことができる

 ブルル単体では初動にはならないものの、ブルルで墓地に送ったカードをドヨンの(1)の効果で回収する、Aiドリング・ボーンやキ-Ai-で蘇生する、スプラッシュ・メイジやダークナイト@イグニスターの効果で蘇生したピカリやドヨンをシンクロ素材にすることで完全蘇生して効果を使用することが可能。

 

ヒヤリ@イグニスター/ドシン@イグニスター

 



 2体とも、(1)の効果でフィールドに「@イグニスター」がいる場合特殊召喚できる。リングリボーやスプラッシュ・メイジのみのときは特殊召喚できない。

 

 ヒヤリの(2)の効果はフィールドのサイバース族モンスター1体をリリースすることで、デッキからレベル5以上の「@イグニスター」モンスター1体を手札に加え、このカードのレベルをターン終了時まで4にする。

 サーチ先はほぼガッチリ@イグニスター一択。①アチチからサーチし特殊召喚することでリングリボーを絡めたダークインファント@イグニスターの灰流うららと無限泡影避け、②ガッチリを使うことでダークナイトやアクセスコード・トーカー、双穹の騎士アストラムへの耐性付与などヒヤリの貢献できる役割は多い。

 

 ドシンの(2)の効果は、墓地のサイバース族リンクモンスター1体を対象として、そのモンスターをEXデッキに戻し、デッキからAiラブ融合というカードを手札に加えるというもの。Aiラブ融合は、自分の「@イグニスター」モンスターを融合素材とする場合、相手フィールドのリンクモンスターも1体まで融合素材とする事ができるという強力な効果であるものの、現在【@イグニスター】で融合モンスターが採用されることは少ないため、ドシンは入れても融合魔法まで入れるケースは少ない。

 しかし、ヒヤリと異なりめぐりAiで簡単にサーチできるというのは強い(水属性の攻撃力2300のモンスターを現状の【@イグニスター】では採用しないため)。

 

 ヒヤリとドシンはアチチとサイバネット・マイニングからサーチが可能な上、比較的簡単な条件で特殊召喚できる反面で、ブルルやドヨン以上にそれ1枚では初動にならないというデメリットがある。

 さらに

 ヒヤリにはガッチリのサーチ&レベルを上げる効果からライトドラゴン@イグニスター、アップデート・ジャマーの素材になれる

ドシンにはめぐりAiでトランスコード・トーカーを見せることでサーチできる(=ピカリ通常召喚ルートからダークインファントに誘発をもらった際のリカバリーが効きやすい)というメリットがそれぞれある。

 

ダンマリ@イグニスター/ガッチリ@イグニスター

 ダンマリ@イグニスターは、自分の「@イグニスター」モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に、このカードを手札から特殊召喚し、その攻撃を無効にする(1)の効果、自分フィールドにリンク6モンスターが存在する場合、フィールド・墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として、そのカードの効果をターン終了時まで無効にする(相手ターンでも発動可)という(2)の効果の、2つを持つ。

 基本的には、ブルル@イグニスターで墓地に送ることで、実質的にジ・アライバル・サイバース@イグニスターがいる状況で1妨害を構えるという役割。

 なので手札に来ると基本的には困るカード……なのだが下級やダークインファント@イグニスター棒立ち時に相手モンスターの攻撃から守る、相手の場にいるエルシャドール・ミドラーシュやインスペクト・ボーダーを戦闘で処理するために使える。なので初手に来ても限定的だが役割はあるため全く無意味ではない(それでもデッキにいて欲しいことが多い)*2

 なおジ・アライバル・サイバース@イグニスターは「効果を受けない」ため、アライバルの攻撃宣言時にダンマリの(1)の効果を発動すると、アライバルの攻撃を続行しつつダンマリを特殊召喚できる。

 

 2/28追記:いわゆるダークフルード型を使う場合はダンマリを投入する必要はない。

 

 ガッチリ@イグニスターは、(1)の効果で自分フィールドのサイバース族の効果モンスター1体を対象として、そのモンスターの効果を無効にし、手札から特殊召喚ができる。この無効効果は、永続な上、既に効果が無効になっているモンスターには使えないし「効果を受けない」ジ・アライバル・サイバース@イグニスターには不発となる。

 

 (2)の効果は、自分フィールドのサイバース族モンスターをそれぞれ1ターンに1度だけ破壊から守る。それぞれ1度破壊から守る点が強く、相手の破壊効果にチェーンしてAiドリング・ボーンで蘇生する動きが強い。

 

 (3)の効果は墓地に送られた場合、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として、そのモンスターに相手ターン終了時まで相手の効果を受けないという耐性を与える

 この効果がぶっちぎりで強く、原始生命態ニビルや無限泡影をもケアできる。例えば、アクセスコード・トーカーの素材にすれば、チェーンの最後にアクセスの効果をもってくることで、相手のニビルや無限泡影のチェーンを許さない実質完全耐性を得たモンスターとなり、これでリーサルをとることができる。

 アクセスコード・トーカー以外にも、双穹の騎士アストラムやデコード・トーカー・ヒートソウルなどにも強固な耐性を付与できる。耐性を付与できるタイミングは、ガッチリがフィールドから墓地に行ったタイミングなのである程度任意的。

 

 2/28追記:ダークフルード型ではブルルから落として、メイジで蘇生したりドヨンで回収する。相手ターンのサンダーボルトや破壊効果にAiドリング・ボーンをチェーンして特殊召喚するという役割がある。ダークナイトへの幽鬼うさぎにも少し強くなる。

 

ウォーターリヴァイアサン@イグニスター

 通常の構築ではほとんど投入されることはない。儀式モンスターは、儀式魔法・素材・儀式モンスターを揃える必要があるため、事故の危険性が付きまとうため。

 ただし、通常のランクマッチでは投入されないというだけで、特定のレギュレーションやフェスでは出番が回ってくることはある。

 ウォーターリヴァイアサンの効果は、①儀式召喚に成功した場合に相手フィールドの攻撃力2300以下のモンスターを全て持ち主の手札に戻す、②相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として自分の墓地のリンクモンスターを全てEXデッキに戻し、対象のモンスターの攻撃力を0にする(名称ターン1)、③このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、その相手モンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ半分になる、の3つ。

 いずれも意外なほど強力なものの、真価を発揮するのはランクマッチを念頭に置いた構築よりも、ファンデッキ的な構築。というのも、ユウ-Ai-というカードの効果で、地・水属性の攻撃力2300のサイバース族モンスターを特殊召喚すれば、フィールドの表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力をターン終了時まで半分にでき、①の効果で攻撃力4600未満のモンスターをバウンスすることができるためだ。

 

 より考察すると、このカードを十全に活かすにはヒヤリやサイバース・ウィッチの効果でこのカードと儀式魔法を手札に加えつつ、場合によってはピカリでユウ-Ai-をサーチする必要があるため、下準備が大変である。しかし、テーマ内カードのヒヤリがサポート効果を持ち、サイバース・ウィッチでも対応可能、ヒヤリからサーチできるAiの儀式は墓地からも儀式素材を調達できる点は長所。

 レギュレーションやレアリティが制限されたフェスでは、ジ・アライバルやアクセスコードに代わるエースになり得る可能性がある一方で、それでも取り回しの重さは常に付きまとうと言うべきだろう。

 

斬機サーキュラー


 ①デッキから斬機モンスターを墓地に送ることで特殊召喚できる効果、②フィールドにいるときに斬機モンスターが特殊召喚されることで斬機魔法・罠をサーチできる効果の2つを持つ。

 ①はコストで墓地に送ることで発動しているため、灰流うららを使用されても無効になるのはサーキュラーの特殊召喚のみ。大抵は、EXモンスターゾーンが空いているときに手札・墓地から特殊召喚できる斬機シグマを墓地に送り、サーキュラーの②の効果を狙いつつレベル4モンスターを2体並べることになる。

 なお①の効果は強力な反面、発動後はモンスター1体でしか攻撃できなくなる。ジ・アライバルやライトドラゴンの効果を使って一斉攻撃はできなくなるため、そのターンでライフをゼロにするならアクセスコード・トーカー2回攻撃、相手のライフが僅か・ターンを渡してもこちらが圧倒的に有利なら盤面を築く、ということを意識する必要がある。

 ②の効果では、墓地の斬機モンスターを蘇生できる斬機方程式をサーチするのが一般的。サーキュラーとシグマ2体で塊斬機ダランベルシアン特殊召喚ダランベルシアンの効果で斬機アディオンをサーチ。

 ここからは、@イグニスターの展開ルートに行くパターンと、アクセスコード・トーカ-2回攻撃パターンがある。

 

 サーキュラーと関連カードの組み合わせは強力で、従来の初動として3積み必須であっためぐりAiとサイバネット・マイニングも2枚投入でよいほど。ただその一方で、サーキュラー以外のカードを初手で引くリスクは存在する。シグマ・アディオン1枚だけならともかく、方程式素引きは痛い。サーキュラー2枚とか、サーキュラー・シグマを両方引いてるようなパターンも弱い。

 

その他のモンスター

 手札誘発である増殖するGや灰流うららなどを除くと、デッキに入れるモンスターは以上*3。というよりは、上に挙げたモンスターで基本的にデッキの枠は埋まる。

 ただサイバース族には有用なカードも多く、特定のカードが規制されるイベントなどでは空いた枠にサイバース族の汎用カードを投入する場合もあるから憶えて損はない。個人的に、普段は入れないけど有能だと思うカードをいくつか挙げる。だが、結局のところ、ランクマッチで投入するかと言われると「枠がない」「他に入れたいカードがある」となってしまう。

 

 フォーマッド・スキッパーは、①EXデッキのリンクモンスターを見せることでリンク召喚するときに「見せたモンスターと同じカード名・種族・属性の素材としても扱える」効果、②リンク素材として墓地へ送られた場合にデッキからレベル5以上のサイバース族モンスター1体を手札に加える効果を持つ。

 まず①の効果を使えば、ダークインファントやダークナイトなどを見せることでそのままダークインファントを特殊召喚できる。そのまま②の効果でガッチリ@イグニスターを持ってこれる。実はこのカード1枚からジ・アライバルまでいけるほど強い効果を持っているが、使われないのは既に初動が十分だからなのだろう。【サイバース族】のようなデッキでは強い。

 

 パラレルエクシードは、手軽にリンクモンスターのリンク先に特殊召喚でき、レベル4を2体並べることができる。【コード・トーカー】などで使われる。デッキの枠が嵩増しされるものの、手軽にリンク2・ランク4になれるというのは強い。

 

 プロフィビット・スネークは、①自分のサイバース族リンクモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に手札から墓地へ送ることで、その相手モンスターを持ち主の手札に戻す効果。②墓地に存在するとき、自分のサイバース族モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分の墓地からカード1枚を除外し、自分の墓地のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を対象として手札に加える効果を持つ。

 予めサーチしておく必要はあるものの、戦闘破壊を狙ってきた相手をバウンスしつつ、墓地からモンスターを回収できる効果までついてくるのは強力。しかも②の効果は自身以外も手札に戻せるため、①の効果を使い回すか毎ターン②の効果を使うかを選べる点も有用。

 

 マイクロ・コーダーは、①手札からコード・トーカーモンスターのリンク素材にできるという効果を持つとともに、②手札・フィールドからコード・トーカーモンスターのリンク素材になったときにデッキから「サイバネット」魔法・罠カード1枚、フィールドからならサイバース族・レベル4モンスターをサーチする効果を持つ。

 素材の関係上、リンク2のコード・トーカーかコード・トーカー・インヴァートが前提なことが多いものの、それらを投入せずともトランス・コードやヒートソウルの素材にすれば効果を使用できる。

 例えば、場にモンスターが2体いるときに増殖するGを投げられた、特殊召喚した下級の効果を止められたという場合。そういうときにも手札のマイクロ・コーダーを素材に、ヒートソウルやトランス・コードを出せる。サーチ先は「サイバネット」魔法・罠なので、欲しい下級を持ってこれるサイバネット・マイニング、【コード・トーカー】の強力なカウンター罠サイバネット・コンフリクトと好きな方を選べる。使われることは少ないが、【@イグニスター】では貴重な小回りの利く展開・罠での妨害を供給してくれる。

 

バランサーロードは、①ライフを1000払うことでサイバース族の通常召喚回数を1度だけ増やす効果、②除外されることで手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する効果を持つ。このモンスターから、例えばドット・スケーパーを出して、2体でサイバース・ウィキッド。ドット・スケーパーの効果で自身を蘇生しウィキッドの効果を起動、バランサーロードを除外することで、ウィキッドの効果で手札に持ってきたチューナーをそのまま特殊召喚することが可能。

 似たような例として、コード・トーカー・インヴァートやファイアウォール・ドラゴンを使う際にもチェーンの組み方や展開の工夫で、サーチ先のモンスターをそのまま場に出すという動きができる。

 

 斬機ダイアは、レベル4チューナー。①召喚に成功した時、自分の墓地のサイバース族・レベル4モンスター1体を特殊召喚し、②フィールドのこのカードを素材すれば、シンクロ・エクシーズ召喚した「斬機」モンスターが「このカードが特殊召喚に成功したターンに1度、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。その効果を無効にする」という効果を得る。

 ダランベルシアンがニビルや無限泡影をケアできる実質万能無効になると考えれば強力なものの、①の効果が通常召喚限定なため他のカードと併用すること前提に見えるがサーキュラーとダランベルシアンがいればどうとでもなる。

 斬機カードを多く投入するデッキでは役立ってくれる。

 

超階乗・ラプラシアンギミックは必須か?

 斬機の出張セットとしても強力な超階乗・ラプラシアンギミック、一応【@イグニスター】でも使うことはできる。

 まず確実に1ハンデスが狙える(+対象のないモンスター、魔法・罠1枚の除去)上に、ダイヤを素材にすれば万能無効がついてくるのは紛れもなく強い。ラプラシアン自身も素材があれば身代わり効果があるのは壁として優秀。

 

 ただこのコンボを決める場合、次の点がネックとなる。

①リンク数が伸びない。

 サーキュラー採用によるメリットは、ジ・アライバルに加えてファイアウォール・ドラゴンを立てることができる展開力の向上。

 しかし、その展開力を超階乗・ラプラシアンのコンボに回すなら、ジ・アライバルの隣にファイアウォールを立てられない。

 もしかすると、リンク6のジ・アライバルではなくリンク5のダークフルード型の方が適しているかもしれない。

 

②メインデッキ内の不純物が増えてEXデッキの枠を圧迫する

 サーキュラー3枚、シグマ1枚、アディオン1枚、方程式1枚を投入している場合、単体では機能しない方程式を素引きする確率が出てきてしまう。シグマ・アディオンは簡単に特殊召喚できるものの、他にモンスターを引いていることが前提。

 ここに超階乗・ラプラシアンギミックのために、メインデッキに超階乗とダイヤ、EXデッキにラプラシアンを入れるなら、初手の事故率が上がるし、EXデッキの枠を圧迫する。

 超階乗ギミックのためだけに、サーキュラー3枚、ナブラ、ダイヤ、超階乗1枚ずつを入れる場合も確率としては同じ。

 

ダランベルシアンからサーキュラーをサーチする場合も考えなくてはいけない

 常にサーキュラーを素引きできるわけではない。@イグニスターのレベル4モンスター2体でダランベルシアンを出してサーキュラーをサーチする場面でも超階乗・ラプラシアンコンボを狙うならラプラシアンを出すための斬機レベル4モンスターが墓地に1体足りない。

 そのため、サーキュラー効果で斬機ナブラを墓地に送り、ダランベルシアンの効果で蘇生。ナブラの効果でダイヤをデッキからリクルートといったケアが要求される。

 それを想定してナブラまで入れると、②のメインデッキ内のスロットの問題がより顕在化する。デッキから方程式やアディオンを抜いて超階乗・ナブラ、EXデッキにラプラシアンというのもありだが、相手ターンの妨害と展開力はトレードオフ

 

 ただ超階乗サーチルート自体は、そこまで難しくなく、「サーキュラー効果シグマ墓地送りシグマ蘇生、方程式サーチ、ダランベルシアンからアディオンサーチ」の場面を一部変えるだけ(太字部分参照)。

 

 ダークナイト特殊召喚、ダークインファントを特殊召喚ダークナイト効果、チェーンしてダークインファント効果で属性変更後、ブルル・ドヨン・ピカリ特殊召喚

 ピカリとドヨンでダランベルシアン、効果でサーキュラーサーチ。サーキュラー効果でナブラを墓地に送り自身を特殊召喚ダランベルシアンの効果で自身をリリースしナブラを蘇生し超階乗をサーチ。ナブラの効果で自身をリリースしてダイヤをリクルート

 後は、斬機モンスター2体でスプラッシュ・メイジをつくりジ・アライバルを出す。

 

 ナブラやダイヤを素引きしているなら、ダランベルシアンの効果で手札から特殊召喚すればいい。

 

基礎知識:EXデッキのモンスター

 EXデッキの枠は15枚。【@イグニスター】は、そのうち12枚がほぼ固定枠で*4、斬機サーキュラーが実装された現在の環境だと、塊斬機ダランベルシアンファイアウォール・ドラゴンがそれぞれ13、14枚目の固定枠になっている。

 

 残りの1枚の自由枠もある程度は好みや戦略で選べるものの、たいていこのカードで決まっているという場合が多い。

 残り1枚の枠に選ばれることが多いのは、2枚目のスプラッシュ・メイジ、トランスコード・トーカー、アクセスコード・トーカー。あるいは、リンク・スパイダー、リングリボー、ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルードあたり。

 マスターデュエルだと、上記の他に、双穹の騎士アストラム、ファイアフェニックス@イグニスター、サイバース・クアンタムドラゴン、I.P.マスカレーナなども候補としてなしではないとは思う。特に、アストラムは頭一つ抜けた性能だが、汎用性を基準に選ぶランクマッチを想定するなら、優先順位は下がるだろう。

 

デコード・トーカー・ヒートソウル


 めぐりAiで見せてアチチをサーチ可能。増殖するGを投げられたときの止まりどころ(それでも2~3枚はドローされるが)。

 少なくとも、自分と相手ターンで合計して2枚ドローできる見込みがある効果は強力。またリンク先にモンスターがいると攻撃力が500あがる効果も打点が低めな【@イグニスター】にはありがたい。

 同じ属性・攻撃力のファイアフェニックスはバーン、破壊に連動したモンスター破壊に蘇生と悪くないが、EXデッキの枠がない。

 忘れがちだが、ヒートソウルorファイアフェックスを出したらめぐりAiでアチチはサーチできなくなる。

 

ライトドラゴン@イグニスター


 めぐりAiで見せてピカリをサーチ可能。フィールドの「@イグニスター」の数まで相手モンスターを選んで破壊可能な対象を取らない複数破壊、モンスターの破壊を素材を落とすことで肩代わりする効果、そして他のモンスターが与えた戦闘ダメージをトリガーに墓地からリンクモンスター蘇生する効果が優秀

 

 大抵はアクセスコード・トーカーにお呼びがかかるものの、ライトドラゴンにしかできない役割も多い。身代わり効果だけでなく、一度に複数体破壊できる可能性や、守備表示で出せるのでふわんだりぃず・えんぺんの制約を掻い潜れる点、戦闘ダメージをトリガーにリンクモンスターを蘇生することで一気に勝負を決められる点(バトルフェイズ中なので、ニビルを踏みにくい)は見過ごせない

 トランスコード・トーカーやアクセスコード・トーカーどころか、アストラムやジ・アライバルも蘇生可能(さすがにその場合のジ・アライバルは攻撃力0なので無意味だが)

 

 サーキュラーがいると、シグマを墓地に送りつつ、サーキュラー・シグマでダランベルシアンを出して相手モンスターを破壊してからそのままダークインファントになるという動きもできる。

 

 対戦だとテンプレの展開ルート崩されたときに実力が出ることが多くて(手札ないとか選択肢がないとかは除く)、そういうテンプレ展開に妨害食らったときにリカバリーできるか、または食らっても別ルートに行けるようギリギリまで動けるかは経験とか知識がないと身につかない。【@イグニスター】だと普段はなかなか使わないライトドラゴンをどう使うか、はそういうところがはっきりと出るところ……かもしれない。

 

ウィンドペガサス@イグニスター


 めぐりAiで見せることでブルルをサーチ可能。基本的には、サイバース・ウィキッドでブルルをサーチするのだが、特殊召喚の回数を減らしたい場合とかはあるので覚えておくと損はない。

 ブルルの項目にもあるが、ブルルの墓地効果で実質的にピカリかドヨンを完全蘇生するという役割もある。

 自分フィールドの「@イグニスター」モンスターの数まで、相手フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊できる上、フィールド・墓地に存在する状態で、このカード以外の自分フィールドのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合、自身を除外することで相手フィールドのカード1枚を対象としてデッキに戻すことができる。

 大抵は、ジ・アライバル・サイバース@イグニスターを出すための素材になり、アライバルや他のカード破壊された瞬間、相手の大型モンスターをバウンスするという役目。

 ペガサスで魔法・罠を割って、ブルルの墓地効果で蘇生したピカリでレベルを4にしてライトドラゴンを出して、今度はモンスターを破壊して、最後は一斉攻撃した後にライトドラゴンの効果でペガサスを蘇生してトドメ……なんて流れはムダがない。

 

 同じレベル7のサイバース・クアンタム・ドラゴンはリンクモンスターがいる限り、他のモンスターを攻撃対象と効果の対象から守る効果に、貴重な対象を取らないバウンスが可能な点で魅力があるものの、さすがにペガサスを差し置いて入れるのか*5とEXデッキの枠の問題がある。こればかりは、EXデッキが15枚である限り付きまとう*6

 

ダークナイト@イグニスター


 めぐりAiで見せることでドヨン(と一応ダンマリ)をサーチ可能。

【@イグニスター】の展開効果の要。ダークナイトのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に、自分の墓地からレベル4以下の「@イグニスター」モンスターを可能な限り特殊召喚できる。

 ダメージステップでも発動可能な点も嬉しいが、ダークナイトでモンスターを戦闘破壊して自身の(2)の効果でサイバース族を蘇生しても発動可能なのが大きい。もっとも、大抵はダークインファント@イグニスターがその役割を担う。

 

 注意点として、2つのエクストラモンスターゾーンのうちプレイヤーから見てダークナイトを右側に出さないと2体しか下級「@イグニスター」を蘇生できない左側のゾーンしか空いていない場合は、展開途中にリングリボーを出しておいて、ダークナイトのリンク先にダークインファントを出したときに、ダークインファントをリリースしないと3体出せない。

 

ダークインファント@イグニスター


 リンク1にして、イグニスターAiランドのサーチとダークナイトの効果にチェーンしての左ステップと属性変更を行う最重要モンスター(あとサイバース・ウィキッドの効果で除外するため1枚では足りない)。

 相手は大抵、このモンスターに灰流うららや無限泡影を撃ってくるため、ピカリ通常召喚から入る・アチチからヒヤリをサーチするルートを採る・ドヨンの墓地効果でチェーンの組むなどの対策が取れることは覚えておく方がいい

 

 注意点として、ダークインファントの(2)の効果(左ステップと属性変更)は、「元々の攻撃力が2300のサイバース族モンスターが効果を発動した時に」発動できるため、ダークナイトの効果にエフェクト・ヴェーラーや無限泡影を撃たれたりするとタイミングを逃す。

 ダークナイトの効果にドヨンの墓地効果をチェーンしてしまっても、同じことになってしまうため、例えばイグニスターAiランドを素引きしてしまっていてダークインファントのサーチ効果もまだ使っていなかったという場合などは、チェーン1にダークインファントの(1)の効果、チェーン2にドヨンの墓地効果、チェーン3にダークナイトの(1)の効果、チェーン4でダークインファントの(2)の効果、というふうにダークナイトの効果のすぐ後にダークインファントの(2)の効果を発動することを覚えておくこと。

 

ジ・アライバル・サイバース@イグニスター


 このデッキのエース。属性が異なるモンスター3体以上で出すことができる「他のカードの効果を受けない」完全耐性モンスター。説明はこれで尽きていると言っても過言ではない。

 

 基本展開なら、トランスコード・トーカー(地)、サイバース・ウィキッド(闇)、下級(大抵はブルルなので風)の時点で、攻撃力3000のジ・アライバルに墓地にダンマリ@イグニスターが。

 ダークナイトのからの展開が成立すれば、攻撃力5000のジ・アライバルに、墓地のダンマリとウィンドペガサスが。

 あるいは手札次第では、攻撃力4000~5000のアライバルの隣に、ガッチリの効果による耐性つきのアストラムやヒートソウルを置くことも可能。

 めぐりAi始動なら、攻撃力3000となるが、墓地にダンマリとペガサスは確定。

 

 環境にもよるが、ジ・アライバルの攻撃力は3000だと心許ない、4000だと少し安心、5000だと大抵の相手には突破されないが、よく見る相手のアクセスコード・トーカー(5300)には突破されがち。6000は、リンク4を素材にしたアクセスコードとかでもない限り並大抵の相手にはされないものの、双穹の騎士アストラムには普通に倒され、閉ザサレシ世界ノ冥神の素材にされる危険は変わらない。

 最近のマスターデュエルだと、攻撃力6000のアライバルを狙いに行くよりは、4000~5000のアライバルの隣にファイアウォール・ドラゴンや、デコード・トーカー・ヒートソウルなど別のモンスターを立てる構えの方が強いと思う*7

 

アースゴーレム@イグニスター

 枠の関係上、採用されることは少ない。効果を3つ持ち、それぞれ①このカードが融合召喚に成功したターン、自分が受ける全てのダメージは0になる。②EXデッキから特殊召喚されたモンスターをこのカードが攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は元々の攻撃力分アップする。③このカードが戦闘で破壊されたとき、自身以外の自分の墓地のサイバース族モンスター1体を対象として特殊召喚できる(これのみ名称ターン1)。

 ①はめぐりAiのダメージやファイアフェニックスの戦闘ダメージを無視できる。②は単体で攻撃力4600までのモンスターを倒せる。③は限定的ながらもシンプルで範囲の広い蘇生効果と優秀な効果である。

 さらに、ドシンの②の効果でサーチできるAiラブ融合は、@イグニスターモンスターを融合素材とするとき、相手のリンクモンスターも1体まで素材にできるという効果も持つため、実質的には相手のリンクモンスターを除去しつつ戦闘とそれ以外のサポートもこなせるモンスター。

 

 このモンスターが採用されない理由は、シンプルに枠の問題。Aiラブ融合も含めて、デッキの枠を取る上、融合魔法が事故要因になってしまう。ウォーターリヴァイアサン同様、どちらかと言えば特定のレギュレーションやリミットが適用されるフェスやファンデッキ構築で輝くカードだろうか。

 

サイバース族のリンクモンスター

 

 リングリボーは、相手の罠カードを無効にし除外可能な点が強く(カウンター罠は不可能)、アチチからヒヤリをサーチするルートでは、ヒヤリの効果で墓地に送りつつ、ダークインファント→ガッチリさらにリングリボーのチェーンで、灰流うららと無限泡影をケアしつつイグニスターAiランドを確実にサーチすることができる。

 また自分から見て右側のEXモンスターゾーンが相手に使用されている場合、展開途中にリングリボーを出しておくことで、ダークナイトのリンク先にダークインファントを特殊召喚した際に、ダークナイト効果→墓地のリングリボーの効果をダークインファントを対象に発動することで下級モンスター3体を蘇生できる。

 他には、EXデッキから特殊召喚した@イグニスターモンスターを相手の効果の対象から逃す、フィールドから逃がす役割もある。スキルドレイン発動下でウィンドペガサスの効果を発動してリングリボーでリリースすればスキルドレインをすり抜けることができる。

 

 サイバース・ウィキッドはブルルをサーチするだけでなく、複数のチェーンを組むことで自身か下級いずれかの効果を灰流うらら等から守れること、自身とリンク先のモンスターを破壊効果から守れる点が優秀。

 

 アップデート・ジャマーは、リンク素材にすることで特殊召喚したモンスター2回攻撃を付与する効果が(ターン1制限がない点でも)優秀だが、もう一つの効果も侮れない。 

 ダメージステップ終了時まで、このカード以外のフィールドのカードの効果を無効化し、その戦闘のダメージ計算は元々の攻撃力・守備力で行うだけでなく、その戦闘で相手モンスターが破壊され墓地へ送られた時、相手に1000ダメージを与える。「効果を受けない」ジ・アライバルの隣に置いて殴りに行くのも、相手からすれば理不尽な動きだろう。

 理論上は(※重要)攻撃力が3000以上のジ・アライバルがいれば【@イグニスター】の天敵であるアストラムをこちらから処理できる*8

 召喚条件にレベル2以上のサイバース族2体を指定しているため、無闇矢鱈のリンク召喚には注意。

 


 スプラッシュ・メイジは、説明不要の汎用カード。蘇生したモンスターは効果が無効になるため、ガッチリはともかく、効果を使っていないピカリやドヨンはブルルとシンクロして蘇生する必要があること、効果の発動後にはサイバース族しか特殊召喚できなくなる制約がかかることには注意。

 忘れがちだが、メイジ→下級をイグニスターAiランドで特殊召喚→メイジでガッチリを蘇生だと、追加でレベル2以上のモンスターを出せない限り、ほぼ完全耐性を得た攻撃力4300アクセスコード・トーカー2回攻撃に届かない

 


 トランスコード・トーカーも、説明不要のカード。リンク先に対象耐性と攻撃力Upをする効果は優秀で、攻撃力5300のアクセスコード・トーカーと並べれば、相手のライフ8000を削りきれる。アクセス以外にヒートソウルやアストラム(こちらだけ横並び)なんかも相手にとってはいやらしい構えになるだろう。

 蘇生効果は、トランスコードのリンク先が空いていないといけない点、効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない点は注意。壊獣とか出してると発動ができないし、メイジもそうだがリンク先が埋まってるせいで特定のモンスターを/しか出せない・墓地に送れないというのは忘れがち

 


  そして、裏のエースのアクセスコード・トーカー。ジ・アライバルを素材にすれば攻撃力8300となり、アップデート・ジャマーを絡めれば2回攻撃が可能。召喚成功時に、ジャマーとガッチリの効果にチェーンして最後にアクセスの効果を持ってくることで相手のチェーンを許さないのは基本ムーヴ。相手のスキルドレインがフィールドにあってもガッチリの効果を適用させれば、効果を受けなくなる。また自身をコストにすることでスキルドレインをすり抜けつつ破壊ができる。

 


 ファイアウォール・ドラゴンは相互リンク状態時の対象を取るバウンスに加え、展開効果を持っている。特に、バウンスは相手のフィールドのカードだけでなく、手札誘発の回収やこちらの誘発に対する墓穴の指名者回避に使えるのが強い。

 下記のダランベルシアンで虚無空間をサーチするルートでは、ファイアウォール・ドラゴンでジ・アライバルを出すこともあった。サーキュラー実装により、手札にダンマリ@イグニスターを素引きしていた場合でも、ダークインファントのリンク先にファイアウォールを出し、ダークインファントをリンク素材にすることで、手札のダンマリを特殊召喚し無理なく墓地に送ることができるようになった。

 


 塊斬機ダランベルシアンは、斬機サーキュラーを投入する場合、必然的にこちらも採用するカード。実質レベル4が2体という緩い縛りで、サーキュラーをサーチできる。

 基本的には、ダークナイトの蘇生効果でドヨン・ピカリを出し、その2体でダランベルシアン→効果でサーキュラーをサーチする。しかし、サーキュラー始動でもサーキュラー、シグマでダランベルシアンを出しアディオンをサーチしつつ、エクシーズ素材として墓地に落とすことで特殊召喚すると除外されるシグマの制約をすり抜けることができる。フィールドのモンスターをリリースすることで墓地の斬機を蘇生する効果も有用。

 素材3体でレベル4モンスターを、素材4体で何らかの魔法・罠をサーチする効果もある。【@イグニスター】ではこちらは使われないということはなく、マスターデュエルで、塊斬機ダランベルシアンの効果で虚無空間をサーチするルート*9が注目されたときがあった。今は、虚無空間は禁止となり、わざわざジ・アライバルの攻撃力を3000に下げてまでサーチする魔法・罠は早々ないものの、斬機サーキュラーが実装されたことで、ダランベルシアンも必須カードとなっている。再びこのサーチルートを使う可能性もあるため、憶えておくといいかもしれない*10*11

 


 双穹の騎士アストラムは、【@イグニスター】的にはジ・アライバルを突破してくるモンスターという点で要警戒なカードだが、自分が使っても強い。ジ・アライバルやヒートソウルの隣に置いて、ガッチリの耐性を付与すれば相手によっては積ませることが可能な盤面をつくれる。それだけでなく、相手のアストラムを突破する上でも有効。ただし、耐性のないアストラムは案外脆い。特に、三戦の才などの対象を取らないコントロール奪取をされると目も当てられない。

 使うならダークナイト(リンク3)とダークインファント(リンク1)かウィンドペガサス、リンク2のメイジとジャマー同士で出すのが無難。

 

 リンク・スパイダーは、相手に原始生命態ニビルを使われた場合にニビルトークンをこのモンスターに変換することで展開継続を狙う、ジ・アライバルの効果で特殊召喚される「@イグニスタートークン」を素材にするという役割がある。前者は、メインモンスターゾーンを空ける点でも重要だが、サイバース族のリンクモンスターは召喚条件に「効果モンスター」「サイバース族」を指定していることが多く、「岩石族」の「通常モンスター」であるニビルトークンをサイバース族の効果モンスターに変換できるという点で、後者も見過ごせない(同様に、自分が使ったニビルの処理も【@イグニスター】では少し困る)。

 ただし、環境にニビルが減っている、上記に然程の魅力を感じないということであれば、無理に投入する必要はないかもしれない。

 

 ブルートエンフォーサーは、「効果モンスター2体」という比較的緩い条件で出せるリンク2。発動に手札コストは要るものの、相手フィールドの表側表示のカードを対象として、相手に破壊か同じ種類(モンスター・魔法・罠)のカードを捨てるかを選択させる効果を持っている。

 

 セキュリティ・ドラゴンは、「モンスター2体」というさらに緩い条件で出すことができ、フィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、このカードが相互リンク状態の場合に相手フィールドのモンスター1体を対象として持ち主の手札に戻すことができる。

 この2枚は、他のデッキのようにトロイメア・フェニックスやトロイメア・ユニコーンを出しにくい【サイバース族】では採用する価値がある。

 

ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード

 


 ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルードは、①自分の墓地のサイバース族モンスターの種類(儀式・融合・シンクロ・エクシーズ)の数だけこのカードにカウンターを置き、②攻撃力をバトルフェイズの間、カウンターの数×2500アップする効果、③相手がモンスターの効果を発動した時、このカードのカウンターを1つ取り除いてその発動を無効にしつつ、この効果をこのカードの攻撃宣言時からダメージステップ終了時までに発動した場合、もう1度続けて攻撃できる効果を持つ。

 高攻撃力とモンスターによる妨害(無効効果)は【@イグニスター】では貴重。リンク5でモンスター3体以上という重さ、実践面ではウィンドペガサスとダランベルシアンしか墓地に送れないということには注意は要るものの、それでも攻撃力8000にモンスター効果を2回無効というのは破格。

 要求値は高いものの、先攻1ターン目でジ・アライバルと並べることも可能(なはず)。ただ真価を発揮するのは、ダークフルード型と呼ばれるこのカードをエースにしたタイプのデッキ。

 

 このカードを主役に据えることにはメリットも大きいものの、一応次の点には注意を要する(ただし、ケア方法もあり)。

・サンダーボルト、ライトニング・ストーム、冥王結界波、禁じられた一滴

:ガッチリ@イグニスターによる耐性をつければ、ケア可能。

 ダークフルード型ではダンマリを投入しないため、基本的にはブルルでガッチリを墓地に送る。そのため、ほとんどの場合は(重要)耐性つきとなるがそれも往復1ターン限定、かつ召喚成功時から耐性をつけるまでの間に無限泡影や原始生命態ニビルという裏目もある*12

 

 一見すると、アライバル型>ダークフルードだが、斬機サーキュラーと同期の【スプライト】はメインギミックから簡単に6000アライバルを超えてくる上に、ダンマリの効果をカットする対象耐性をテーマ内で抱えている。そのため、ダークフルード型の方が複数回モンスター効果を止められる点で有利。あとアライバル型と違い、リンク数や属性にあまり気を配る必要がないというのは使う側としてはありがたい。

 

残りの枠に何を入れるべきか?

 先に書いたように【@イグニスター】は元からEXデッキの枠が12枚固定、斬機サーキュラーを入れると14枚固定と自由度はほぼない。その場合、残り1枠に何を入れるかは悩みどころ。

 現状だと、汎用性では2枚目のスプラッシュ・メイジ>2枚目のトランスコード>2枚目のアクセスコード。小回りや展開の下支えならリングリボーを選ぶべきだと思う。実質的には2枚目のメイジ/トランスコードかリングリボーかの選択。

 使ってみた限りだとそれぞれのメリットは

 

・メイジ:手軽に出せて、実質リンク3に変換できる。1枚目の効果使用前に除去・無効化されても2枚めを出せばリカバリーが利く。3ターン目以降の動きが安定する。下記のトランスコードと比べて手軽に使える。

 

・トランスコード:素材はメイジより重めだが、案外2枚目のこのカードも出しやすい。特に、処理が面倒な自分が出したニビルも素材にできるのは嬉しい。

 トランスコードが2枚あれば、墓地のメイジを蘇生することでそのままメイジの効果を使えるため、トランスコードのリンク先にヒートソウルやアクセスコードも簡単に狙える。メイジと比べて、2枚目のトランスコードは大事に維持することで活きる。

 

・アクセスコード:単純に勝ちやすさに貢献してくれる。例えば、1体目が除去されるなりニビルを食らってもそのまま2体目を出してトドメがやりやすくなる。

 

・リングリボー:他と比べて展開や勝利に直結するカードではないものの、下級やダークインファントへの無限泡影をかわす、相手の伏せた罠に対処する、左側のEXゾーンにダークナイトを出すときに使える、ダークナイト、ウィンドペガサスやライトドラゴンをフィールドから墓地へ送ることが活きる場合がある(スキドレから逃したり、ダークナイトとライトドラゴンの蘇生効果駆使してライフを獲る)など縁の下の力持ち。ここでリングリボーがあればと思うことも多い。

 

 2枚目の○○を採用しないデメリットは、メリットの裏返しを考えれば想像しやすい。メイジやトランスが1枚だけだと3ターン目以降の展開(特にジ・アライバルが戦闘破壊されたり、メインモンスターゾーンが埋まってる場合)が窮屈になりがちだし、リングリボーがいないと罠や相手の誘発ケアがしにくい。

 

基礎知識:魔法・罠

 汎用的な魔法・罠についてはデッキの枠や環境と要相談*13

 

イグニスターAiランド


【@イグニスター】の生命線。

 基本的には、ピカリかダークインファントでサーチするが、相手は当然そこを妨害してくる。是が非でも引き込みたい。

 自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に、手札からレベル4以下の「@イグニスター」モンスター1体を特殊召喚する(1)の効果、墓地に存在する場合、自分の墓地から「@イグニスター」モンスター1体を除外して、このカードを自分フィールドにセットする(2)の効果がある。

 

(1)の効果については、当たり前だがメインモンスターゾーンが埋まっていると効果を使用できず、元々の属性が同じモンスターをイグニスターAiランドの効果では特殊召喚できず、サイバース族モンスターしか特殊召喚できなくなるという制約がかかる。

 自分の原始生命態ニビル、相手のニビルトークンをどけるのには一苦労。また、基本展開では最初に召喚した下級をドヨンで回収しないと、制約をすり抜けられない。アンデットワールド発動下でイグニスターAiランドを発動するとどうなるかは説明不要。

 

(2)の効果は知られていないことが多く、デストロイフェニックスガイ、幽鬼うさぎ、羽箒、ツインツイスターなどの破壊効果には強い。

 その一方、コズミック・サイクロンのような除外にはめっぽう弱い。

 

 

 関連して、イグニスターAiランドをデッキに何枚入れるかについて。

 基本的にサーチするカードなため、3枚入れると初手に複数枚来る手札事故の確率が高くなる。Aiランドは素引きは悪くない(一緒にアチチやピカリ、サーチ魔法を引いている前提)ものの、さすがに一度に2枚引くと真顔になってしまう。ピン挿しだと、除外されたときが最悪。以上から、シングル戦を考えると2枚が無難に思える。

 

Ai-コンタクト


 ちなみに、Ai-コンタクトというカードがあり、自分フィールドにイグニスターAiランドがある場合に、手札のイグニスターAiランドをデッキに戻すことで3枚ドローできる。

 強欲で貪欲な壺などを投入し難い【@イグニスター】ではなにげに貴重なドローソースなものの、例えばこのカードを先攻1ターン目で発動するには初手でイグニスターAiランドかAi-コンタクト1枚を素引きし、かつピカリとダークインファントの効果を通して残りを揃える必要がある 。それだけでなく、めぐりAi素引きorアチチとピカリが初手に両方あるというもう一つの条件も要求されることとなる。

 マスターデュエルでAiコンタクトを半年以上投入している側の意見としては、①確率自体は上振れ気味なものの狙える範囲ではある。②大抵はピカリ通常召喚から入るルートを兼ねるため、(イグニスターAiランドを素引きしているなら)ピカリとインファントに誘発を食らってもダメージは少なめ。③ピカリでAi-コンタクトをサーチするよりは、Aiドリング・ボーンかキ-Ai-をサーチする方が無難だし、そちらだと最終盤面でヒートソウルを出せて、そうすれば2ドローもできる。

 結論から言えば、初手で上振れたり試合が長引いたときに、蘇生魔法や手札誘発や汎用カードを仕入れることができるのは悪くはないが無理に狙うほどか?レベルのカードで、投入必須とまではとても言えないだろう。

2/28追記:さすがにスプライト環境だと、三戦の才の方が汎用性が高い。言い換えれば、烙印~斬機~ルーン環境までならAiコンタクトでも充分やれていたということ?

 

めぐりAi


 初動4種類目の3つ目。

 従来は3積み必須だったが、斬機サーキュラーが実装されたので1~2枚でもよい。

 手札・EXデッキの攻撃力2300のサイバース族モンスター1体を相手に見せ、
そのモンスターと同じ属性を持つ「@イグニスター」モンスター1体をデッキから手札に加えるカード。

 大抵は、ヒートソウル(炎)を見せアチチを、ライトドラゴン(光)を見せピカリを、ダークナイトを見せてドヨンをサーチする。トランスコードを見せてガッチリやドシンを、ウィンドペガサスを見せてブルルをサーチできることは覚えて損はない。

 

 注意すべき点として、①見せたモンスターの特殊召喚に成功しなかった場合、エンドフェイズに2300のダメージを受け、②「発動以降ターン終了時まで自分はサイバース族以外のモンスターの効果を発動できな」くなる。

 ①は、例えばめぐりAi初動でアチチから入った場合やピカリ通常召喚から入ってめぐりAiをサーチする場合、ほぼライフ5700で相手にターンを渡すことを意味する。

 ②はより気をつける必要があり、めぐりAiの効果処理後、増殖するGや灰流うららなどの各種手札誘発は使用できないことを頭に入れておく必要がある

 

サイバネット・マイニング


 初動4種類の4つ目。

 従来は3積み必須だったが、斬機サーキュラーが実装されたので1~2枚でもよい。

 手札を1枚墓地へ送って発動し、デッキからレベル4以下のサイバース族モンスター1体を手札に加える。

 めぐりAiと比較すると、手札コスト要る分こちらは初動4種類の中で最も重い反面、あちらには2つの制約があるがこちらにはないという違いがある。

 基本的に、初動4種類の中で来るとありがたいのは、モンスター>魔法で、めぐりAiかマイニングスタートは誘発を貰ったときを考えると、少し怖い(アチチとピカリどちらが初動としてよいかについては後述)。

 サーキュラーを引っ張ってこれるのは長所であり、マイニング2、めぐりAi1が安定するだろうか。

 

Aiドリング・ボーン/キ-Ai-

 「@イグニスター」モンスターを蘇生することが可能な魔法。ジ・アライバルも当然選べる。


 Aiドリング・ボーンは速攻魔法であるため扱いやすく、ピカリでサーチしてドヨンで回収することで相手ターンに発動することもできる。

 ただし、その一方で「効果の発動後、ターン終了時まで自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できな」くなるため、相手ターンに使用すればそれ以降は原始生命態ニビルを使用できなくなる。特殊召喚が絡まない手札誘発なら問題はない。

 また墓地効果として、モンスター同士が戦闘を行う攻撃宣言時に、墓地のこのカードと手札1枚を除外して、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、「Aiドリング・ボーン」以外の「Ai」魔法・罠カード1枚を対象として手札に加えることができる。めぐりAiを回収する、除外されたイグニスターAiランドを回収するなど使い勝手は悪くないものの、Aiドリング・ボーンを除外すると相手ターンでのドヨンの蘇生による自ターンでの回収ループが使えなくなる。

 


 キ-Ai-は通常魔法であるため即効性は劣るものの、こちらも優秀。攻撃力2300以上の「@イグニスター」モンスターが効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる(2)の効果と、除外された場合にこのターン自分の攻撃力2300以上の「@イグニスター」モンスターが戦闘では破壊されなくなる(3)の効果を持っている(前者の効果で除外されなくとも、発動可能)。

 しかし、ダークナイトやファイアフェニックス棒立ちでターンを渡し、キ-Ai-が墓地にある状況で相手がわざわざ破壊してくるケースは稀。そもそも、一番守りたいジ・アライバルは「効果を受けない」ので、このカードの効果では守ることができない。

 ※Ai打ちは、ジ・アライバルが戦闘破壊される際に「代わりに」除外するのでジ・アライバルを守ることができる。

 とはいえ、ルーンを相手にするときなどはウィンドペガサスを出した瞬間に、輝く炎の神碑を使われるので、墓地にあるキAiの効果が生きる場面は極稀にある。単純に、2種類の蘇生魔法を使い分けることができるのは素直にメリットとして受け取れる。ピカリのサーチやドヨンでの使い回しも考えると、Aiドリング・ボーン2枚、キ-Ai-1枚投入は理論値では強そうだが、実際にやると手札事故の元になるので1枚ずつ投入するのが無難

 

その他の魔法・罠

 この他に、アニメで使用されたカードなどいろいろとあるが、基本的には上記以外が投入されることは少ない。


 Ai打ちは輝きそうな性能をもっているが、ピカリでサーチする以外(おそらく)1枚だけ入っているAi打ちを素引きしない限り伏せることができない点、ピカリでサーチしたいカードは基本的にめぐりAiか蘇生魔法であり優先順位が下がる点、何よりこのカードをサーチするのを見た相手が素直に効果を発動させてくれるか怪しい点から採用されていないと思われる(ただし、特定のレギュレーションやサイドデッキ向きではある?)。

 

 似たようなカードに、ユウ-Ai-がある。元々の攻撃力が2300のサイバース族モンスターが特殊召喚された場合、その属性に応じて適用される効果を持つ。

 

 ・地、水:フィールドの表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力をターン終了時まで半分にする。
 ・風、光:フィールドの表側表示のカード1枚を選び、その効果をターン終了時まで無効にする。
 ・炎、闇:自分フィールドに「@イグニスタートークン」1体を特殊召喚する。

 

 1つの属性につき1ターンに1度発動できる(つまり最大で3種類を2回ずつ発動可能な)ものの、一番使うことになる闇属性がトークン生成であり、喉から手が出るほど欲しい無効効果は大体は展開の途中で出すことになりがちな風と光、地と水に至ってはデッキに入れる機会が少ないという問題がある。またこのカードをピカリからサーチすることは、他のサーチカードを持ってこれないことを意味する。

 その一方で、地と水の効果、風と光の効果は対象を取らないためかなり有用である。フェスや特定のレギュレーション向きのカードといったところか。

 

 

 汎用カードについては各種手札誘発やハーピィの羽根帚、ライトニングストーム、無限泡影なども普通に使えるため、空きスロットには入れるべきだろう。

 ただし、PSYフレームモンスターは制約の観点から使い辛く、ライトニングストームや無限泡影は後攻1ターン目以外だと自分の場のイグニスターAiランドが邪魔で思うように使えないことがある。

 ちなみに【@イグニスター】は灰流うららは普通に辛いものの他に初動を引いていたりイグニスターAiランドを素引きしていれば痛くないこともある。一番嫌なのは増殖するGで、いわゆる止まりどころがないためその場でターンENDか、2~3枚引かせてヒートソウルという不安定なターンの渡し方をすることになる*14

 その他には、PSYフレームγは、喰らうと痛い上自分が投入することはないため対処しにくく、ディメンション・アトラクター、ドロール&ロックバードが全般的に刺さる。最初に出てきた下級やダークインファント、ダークナイトへの無限泡影やエフェクト・ヴェーラー、トランスコード・トーカーへの屋敷わらしやDDクロウも確かに痛いが上のに比べると致命傷具合はやや薄れる。

 

デッキレシピ(参考)

 

 2023年1月のランクマで使ったデッキ。

・初動札は、アチチ・ピカリ、サイバネット・マイニングは3枚、めぐりAiは2枚、サーキュラーは3枚の合計14枚。

・その他のカードは、ヒヤリ、ブルル、ドヨン、ダンマリ、ガッチリ、シグマ、アディオン、斬機方程式、Aiドリング・ボーン、キ-Ai-、Aiコンタクトが1枚ずつ、イグニスターAiランドが2枚

・誘発は増殖するGが2枚、灰流うららが3枚、幽鬼うさぎと屋敷わらしが1枚ずつ

・汎用魔法罠は、羽箒1枚、墓穴2枚、抹殺1枚、一滴2枚、無限泡影1枚、レッド・リブート2枚

・EXデッキは、14枚はほぼ固定で自由枠1枚にリングリボーを選択。

 

 投入しているカードや採用理由については、相手の増殖するGをとめたいから灰流うららは3枚入れて、逆に自分で使う増殖するGは通れば強いが有効な相手ばかりでもないから2枚。

 屋敷わらしは、烙印筆頭に墓地に触るテーマ用。幽鬼うさぎは変えてもいい(以前までは、ヴェーラーやニビルも入れてたので増殖するG通した後に相手へ誘発を複数投げるための名残)。

 ヴェーラーやニビルがいないのは、後攻ひかされたときに手札誘発よりも一滴やレッド・リブートの方がありがたいから。その分、無限泡影は1枚だけにした。ルーンとかも飽きるくらいいるが、伏せ除去をこれ以上積むと、展開系相手に出会うと辛く構築が歪むため、メインからレッド・リブート、EXデッキのリングリボー。

 リングリボーは、相手の無限泡影や罠ケアのため。結局メイジやトランコード2枚目よりも最初の安定をとった。だが、これらはあくまでも考え方次第。

 

展開ルート

 展開ルートについては、斬機サーキュラーが絡まないルート、次に斬機サーキュラーを絡めるルートの順で説明。

 

 書く場所がないのでここに記すが、【@イグニスター】は大して回すのに時間がかかるテーマではない。PC・CS機、端末や操作性にもよるが、自分はサーキュラー以前の下記基本展開はゲーム内の時計で60~80秒で終わってターンを渡していたし、サーキュラー絡める展開でも180秒は余裕で残る。あと、先攻・後攻問わずやることは終着点目指して突っ走るだけなので、時間が足りないなんてことは100試合に1回もない。慣れたら多少のブラフやサブプラン込みでのソリティアもできるようになる。

 

基本展開

 アチチスタート、ピカリスタート、サイバネット・マイニングスタートいずれも変わらない。

 アチチを通常召喚→ピカリサーチ→ダークインファント→イグニスターAiランド→ピカリでめぐりAiサーチ→めぐりAiでドヨンサーチ→インファントとピカリでサイバース・ウィキッド→ドヨンを特殊召喚ウィキッドとドヨンの効果をそれぞれ発動し、ブルルをサーチ、アチチを回収。

 ウィキッド・ドヨンでトランスコード(めぐりAi回収)→ブルルを出しダンマリを墓地へ→トランスコードでウィキッドを蘇生→3体でダークナイト→アチチ→ダークインファント→ダークナイト効果にダークインファント効果をチェーンし、属性を神属性に→ブルル・ピカリ・ドヨンを特殊召喚→ウィンドペガサスを出し、ブルルの墓地効果で素材を蘇生→ダークナイトとモンスター1体でスプラッシュ・メイジ。効果でモンスターを蘇生→属性が異なるモンスター5体で攻撃力5000のジ・アライバル(リンク2+モンスター4体)

 

・ピカリスタートなら通常召喚でめぐりAiサーチ後、めぐりAiでアチチサーチ、アチチでドヨンサーチ以外は変わらず。

 

・ドヨンで回収するカードは、最初に通常召喚した下級(※イグニスターAiランドの制約)。

 

ダークナイトで蘇生するモンスター3体には必ずブルルを含むこと。

 

ジ・アライバルの召喚条件を満たすため、属性が異なるモンスターを用意することを意識

 

・ウィンドペガサスを出した後、ダークナイトとモンスター3体で4000アライバルを出せる。このことは、最終盤面をどうするか考える際に覚えておくと参考になる。

 

めぐりAi初動

 めぐりAiでアチチをサーチする。ここからアチチでピカリをサーチするか、ドヨンをサーチするかルートが別れる。

 

 ピカリサーチルート

 アチチ召喚、ピカリサーチ→ダークインファントからイグニスターAiランド→ピカリを出してAiドリング・ボーンサーチ→ウィキッド→Aiドリング・ボーン→ブルルサーチ、ブルル効果でドヨンを墓地へ→ウィキッドと下級でスプラッシュ・メイジ、効果でドヨン蘇生→ブルルとドヨンでウィンドペガサス→ドヨンを蘇生しアチチ回収→ダークナイトを出してアチチを特殊召喚することで、攻撃力4000のジ・アライバル(さらにダークインファントを出せばモンスター1体を残せる)

 

 ドヨンサーチルート

 アチチ召喚、ドヨンサーチ→ダークインファントからイグニスターAiランド→ドヨンを出してアチチを回収→ウィキッド→アチチ→ブルルサーチ→ウィキッドとドヨンでスプラッシュ・メイジ(めぐりAi回収)→ブルルを出して、効果で墓地にダンマリを落とす→メイジでドヨンを蘇生しウィンドペガサス→メイジと1体でトランスコードを出してメイジを蘇生→攻撃力3000のジ・アライバル(リンク3+2+モンスター1体)

 

・ドヨンサーチルートで、ブルルで墓地に落とすのをピカリにし、メイジで蘇生してからウィンドペガサス→ブルル墓地効果でピカリの効果を使用可能。ここからAiドリング・ボーンをサーチすることで相手ターンにダンマリを落とせる。

 

・ピカリサーチルートではメイジ・ブルル・ドヨンの3体でダークナイト→ドヨンで回収したアチチを出すという形でほぼ通常展開に移行できるが、相手ターンにAiドリング・ボーンを使わないと墓地にダンマリに落とせない。このルートでは、ドヨンでAiドリング・ボーンを回収する必要がある。

 

・上記の場合や基本展開も同様だが、ドヨンの墓地効果でめぐりAiではなく、Aiドリングボーンを回収するというプランもある。

 モンスター1体追加でジ・アライバルの攻撃力は1000増やすor手札次第だが隣に妨害モンスターを並べつつ、相手ターンにAiドリング・ボーンを使用するというのは有用な反面、めぐりAiを回収しないことで3ターン目以降の動きができない可能性が出てくる。

 

基本展開:ダークナイト後に斬機サーキュラーをサーチする場合

 

 ダークナイトでブルル・ピカリ・ドヨンからのウィンドペガサスまでは共通。

 

 ピカリとドヨンでダランベルシアン、効果でサーキュラーをサーチ→サーキュラーでシグマを墓地に送り、自身を特殊召喚

 ダークナイトとウィンドペガサス(orダランベルシアン)でファイアウォール・ドラゴン、このときダークインファントのリンク先に出す→EXモンスターゾーンが空いているので墓地からシグマを特殊召喚→サーキュラーの効果で斬機方程式サーチ。

 光属性のシグマかサーキュラーとダランベルシアンでスプラッシュ・メイジ、効果で属性が被らない下級(例えばアチチ)を蘇生→斬機方程式でダランベルシアンを蘇生→メイジ(水)、ダークインファント(神)、ダランベルシアン(地)、サーキュラーorシグマ(光)、アチチ(炎)で攻撃力5000のジ・アライバルをファイアウォールの隣のメインモンスターゾーンへ(リンク2+モンスター4体)。

 

 特に理由はない限り、5000アライバルとファイアウォールが狙えるこちらを推奨(サーキュラーとシグマの属性が被るのと、メイジで蘇生するモンスターの属性に注意)。

 メリットはいろいろあり、

・相手ターンにファイアウォールで相手のカードをバウンスしたり、手札誘発に対する墓穴の指名者をケアできる

 

ファイアウォールの効果でモンスターを特殊召喚できる可能性がある。

 

・EXモンスターゾーンを使用していない(キメラテック・メガフリート・ドラゴンなどの対策)

 

 ちなみに、

メイジを出した後、デコード・トーカー・ヒートソウルを出すことで1ドローと4000アライバルが狙える。

 

ファイアウォールの代わりに、双穹の騎士アストラムを出すことも可能。アストラムの召喚条件は、「EXデッキから特殊召喚されたモンスター2体以上」なので、リンク3のダークナイトとウィンドペガサス、ダランベルシアン、ダークインファントのいずれかで出せる(属性被りを避けるならインファントは非推奨、さらにメインモンスターゾーンにアストラムを出せずジ・アライバルも隣に出せない)。

 アストラムを使う場合、ガッチリ@イグニスターを出して耐性を付与するといった工夫も要る。例えば、三戦の才で奪われればかなりマズい。

 

 

めぐりAi初動:ダークナイト後にサーキュラー使用

 

 途中までは、めぐりAiでアチチからピカリをサーチしたルートと同じ。

 

アチチ召喚からピカリサーチ→ピカリでAiドリング・ボーンをサーチ→(中略)→ダークナイトのリンク先にダークインファントを出し、それぞれの効果を使用→ブルル・ドヨン・ピカリを蘇生→ピカリとドヨンでダランベルシアンを出し、サーキュラーをサーチ。

 サーキュラーでアディオンを墓地へ送り、自身を特殊召喚ダランベルシアンの効果で自身をリリースし、アディオンを蘇生、サーキュラーで斬機方程式をサーチ。方程式でダランベルシアンを蘇生すれば、攻撃力6000のジ・アライバル。

 通常通り、ファイアウォール・ドラゴンとアライバルも可能(途中でメイジの効果を使っているのでそこには注意)

 

 従来は弱めだっためぐりAi始動が6000アライバルに化ける。

 

 

サーキュラー始動(先攻)

 

斬機サーキュラーの効果でシグマを墓地へ→シグマを特殊召喚、斬機方程式サーチ。

 ダランベルシアンを出してアディオンをサーチ。アディオンを特殊召喚して2体でウィキッド→斬機方程式でモンスターを蘇生→ウィキッド効果でブルルをサーチ

 ブルルを通常召喚してピカリを墓地に送る→ウィキッドとアディオンでスプラッシュ・メイジ→効果でピカリ蘇生からのウィンドペガサスを出してピカリを蘇生→めぐりAiサーチ。

 ピカリまたはウィンドペガサスでダークインファント、効果でイグニスターAiランドサーチ。モンスター3体でダークナイト→アチチを特殊召喚

 アチチでヒヤリをサーチからダークインファント→ダークナイトでアチチ・ブルル・ピカリを蘇生。ダークナイトと下級1体でファイアウォール・ドラゴンをダークインファントの隣に出す→ヒヤリの効果でインファントをリリースし、ダンマリをサーチ→ファイアウォールの効果でダンマリを特殊召喚→そこからトランスコード→メイジ蘇生で攻撃力3000のジ・アライバル。ファイアウォールを出さないなら、そのままヒヤリを出して6000アライバル。

 

 6000アライバルかファイアウォール・ドラゴンと3000アライバルを選べる。

 

サーキュラー始動(後攻1キル)

 

サーキュラー効果でシグマを墓地へ送り、シグマを特殊召喚し、斬機方程式をサーチ→2体でダランベルシアンを出してアディオンをサーチ。アディオンを特殊召喚

 モンスター2体でスプラッシュ・メイジ、メイジの蘇生と斬機方程式の蘇生でレベル2以上のモンスターを2体並べ、アップデート・ジャマー。メイジとジャマーで43002回攻撃アクセスコード・トーカー

 

 

 従来の【@イグニスター】では後攻からアクセスコード2回攻撃まで行けるものの、それを止められるとどうしようもないという綱渡りだったのに対し、サーキュラーを絡めるルートでも1キルを狙えることは、どちらかが潰されてももう片方があるというサブプランが生まれたことを意味する。

 

 またサーキュラー始動は、レベル4を簡単に2体並べられるという利点がある。ふわんだりぃず・えんぺんがいる状況でも、サーキュラー、シグマでライトドラゴン@イグニスターを守備表示で出せばえんぺんを処理できる。サーキュラーでリングリボーを出してから方程式で蘇生することで、ふわんだりぃずと夢の町もケアできる。

 

 

初動+サーキュラー素引き(灰流うらら、無限泡影、エフェクト・ヴェーラーケア)

 誘発ケアができるので、アチチorピカリとサーキュラーを同時に引いているならば必ずこのルートを使うこと。

 

 アチチ召喚→ピカリサーチ→サーキュラーの効果でシグマを墓地へ送り特殊召喚→シグマ特殊召喚、斬機方程式サーチ→サーキュラー、シグマでダランベルシアン。効果でアディオンサーチ、そのまま特殊召喚ダランベルシアンとアディオンでサイバース・ウィキッド→アチチでダークインファントをウィキッドのリンク先に出し、チェーン1にダークインファント、チェーン2にウィキッド効果(灰流うららケア)

→この場合、ウィキッド・ピカリ・ブルルどこに灰流うららを貰っても、ジ・アライバルとダンマリは(ほぼ)確定する(※)。

 

 (※途中のアディオンでリングリボーを出しているなら、無限泡影、エフェクト・ヴェーラーケアも可能だが、未投入なら下記のルート)

 

 ダークインファントに無限泡影やヴェーラーを使われた場合ウィキッドとダークインファントでトランスコード・トーカーを出し、効果でウィキッドを蘇生→2体でファイアウォール・ドラゴン()→斬機方程式でダランベルシアンを蘇生し、効果で自身をリリースしアディオン()を蘇生

 ここから、①ファイアウォールの効果でピカリを特殊召喚することでイグニスターAiランドをサーチし、ファイアウォール・ピカリ・アディオンの3体でダークナイトを出すか、②ブルルを特殊召喚しダンマリを墓地へ送り、アディオンとブルルでウィンドペガサス、リンク4のファイアウォール()とモンスター2体()で3000アライバルを狙うこととなる。

 

 上ではまずアチチまたはピカリから入っているものの、実戦ではサーキュラーの効果から入ったほうがいい。というのも、@イグニスターを最初に見せると誘発をそちらに使われる可能性が高くなるため、サーキュラーやダランベルシアンに誘発を使わせてから展開する方が安全だからだ。

 

その他の展開ルート

 初手に初動となるカード2種類以上を要求するものの、

①最終盤面にファイアウォール・ドラゴンとトランスコード・トーカー(相互リンク)に、4000アライバル

⇒アチチ、ピカリ、サーキュラーを初手に揃えられれば、メイジとトランスコードを温存したままダークナイトまで行けるため、EXモンスターゾーンにファイアウォール・ドラゴンを出してから、メイジ(このときファイアウォール効果で手札のモンスターを出す)→トランスコード→ダークナイト蘇生→ジ・アライバルが可能となる(属性被りとモンスター数はシビア)。

 

②ガッチリの効果で耐性を得たファイアウォール・ドラゴンに5000アライバルもできる。

⇒アチチ、ピカリを両方引いていれば簡単に可能。

 

 サーキュラー実装以前は、初手に初動2種類以上がある(ex. アチチでドヨンをサーチでき、ピカリでAiドリング・ボーンをサーチできる。アチチでヒヤリをサーチしてガッチリを持ってこれる、めぐりAiでガッチリをサーチできる)という条件下で、

 

・初手またはサーチ先にAiドリング・ボーンが確定:4000アライバルとヒートソウル

 

・初手orサーチでAiドリング・ボーン+手札にガッチリを確保できる(ヒヤリorめぐりAiからサーチ):アストラム(ガッチリ耐性つき)と5000アライバル

 

が可能だった。

 

アチチとピカリどちらが優秀?

 最初の手札5枚にアチチとピカリが揃っている場合、どちらがより初動として優秀か。状況にもよるが、

・アチチ通常召喚で相手に優先権が行く→ヒヤリサーチからリングリボー、ガッチリを絡めた灰流うらら・無限泡影ケアが可能。

 

・ピカリ通常召喚で相手に優先権が行く→ピカリ自身と次のダークインファントで2回イグニスターAiランドをサーチする機会がある。ピカリでサーチすれば、そのままリングリボーを出して後続に対する無限泡影をケアできる。

 

 両方ともG即投げには弱いという欠点はあるものの、それぞれメリットを持っている。他の手札を見つつ、どちらから入るのが誘発で妨害されても痛くないルートか考えて動くべき。

 後続を確保できる手札なら、アチチでヒヤリをサーチするルートは相手の灰流うららと無限泡影両方をかわせる(ただし、灰流うららを他に使われる可能性は残る)。

 イグニスターAiランドを素引きしている、相手の誘発1枚程度なら貫通できる(蘇生手段や特殊召喚要員あり)ならピカリスタートは誘発チェックもできる。

 

 サーキュラーにアクセスできるなら、アチチorピカリの効果後にサーキュラーから展開してウィキッド後にダークインファントに行くべきだろう。

注意点

・属性被りには特に注意。

 :アチチ、アディオン

 :ヒヤリ、メイジ

 :ピカリ、サーキュラー、シグマ

 :ドヨン、ダークナイト、ダークインファント

 :ブルル、ウィンドペガサス

 :トランスコード、ドシン、ガッチリ、ダランベルシアン

 

 特に、ドヨンでAiドリング・ボーンを回収しようとする場合、サーキュラーを展開に絡める場合には闇と光が被りやすい。メイジやダランベルシアンで蘇生するカードを手癖で選ばず、一旦待ってから選ぶなどで対策する必要がある。

 

デッキ枚数について

 基本的には40枚と言われる。

 初動カードが多めの【@イグニスター】は、初手の5枚で初動カード最低1枚を引く確率は、4種類3枚積み=12枚なら85%ほど(以下の確率は、リンク先参照)。

 サーキュラーが入ることで初動がここに3枚追加で15枚となり、単純計算で初手が1枚でもある確率は90%を超える。

 サーキュラーを投入する代わりにめぐりAiとサイバネット・マイニングを1枚ずつ抜くなら、合計13枚。それでも初手に1枚以上引く確率は約88%はある。

 とはいえ、マスターデュエルを実際にやると分かるが、乱数の偏りはかなりある。コイントスの表/裏の確率と連続回数、初手に来るカード、裏ばかり引いてようやく表で先攻とったときに限って初動が来ないなど。

 また、元々【@イグニスター】においては、ブルル・ドヨン・ダンマリの3枚があまり素引きしたくないカードである。サーキュラー投入時は、アディオン、シグマ、方程式もどちらかと言えば素引きしたくない。

 40枚中6枚は素引きしたくないカードがある(場合によっては、それ以上)というのは、なんだかんだ無視できない。

 さらに手札誘発や各種汎用カード、後攻捲り用のカード、魔法・罠除去なども入れるので40枚にとどめるのが難しい場合もある。特に、サイドデッキがないマスターデュエルではメインから魔法・罠除去を積むことも必要だ。

 デッキ枚数が増えればそれだけ初動を引けない確率も出てくるが、素引きしたくないカードが多い場合はデッキ枚数を増やすというのも確率的には一理ある。使っている身としては、41~42枚ならそこまで変わらない。43~44枚だと若干気になる。45枚以上は意外と影響が出る。そんな感触を持っている。

 だが結局のところ、デッキに何を入れるか、次に最終的に何枚にするかが大事。ある意味、そこが一番の戦い。特に、めぐりAiとサイバネット・マイニングを何枚入れるかは重要で、徹底的に初動の確率を高めるか、枠を空けて他の汎用カードを入れるかは構築とその考え方次第だ。

 

弱点

【@イグニスター】は、着地狩りに弱い。

 具体的には、最初に通常召喚した下級に対する、神の宣告や無効にして破壊、除外。単なる破壊だけなら後続を読んだり蘇生すればいいのだが、場から除去されるとリンク素材にできない。

 月の書や妖精伝姫-シラユキで裏守備表示にされるのも危険。裏守備はリンク素材にできないため展開がとまる。

 

 他には、各種永続罠。センサー万別や御前試合があるとリンク召喚も封じられる。スキルドレインも辛い。サイバース族はリングリボーで一応躱すことはできるものの、相手視点では通常召喚した下級の効果起動時に永続罠を開くのが一番利点があるので、それも難しい場面がほとんど。

 フィールド魔法の効果発動で特殊召喚を回数を重ねるので、赫灼竜マスカレイドが1体いるだけで瀕死になる。烙印デスピアは隣にミラジェイドもいたりするので、冗談抜きに4300アクセス2回攻撃に入る前にライフが尽きかねない。

 

 ジ・アライバルには壊獣は一応効くものの、墓地のウィンドペガサスは残っている。Aiドリング・ボーンがあれば攻撃力は0だがダンマリは使えるし、今では隣にファイアウォール・ドラゴンもいる。使い手としてはそこまで盤石でもないが相手からしても面倒ではあるだろう。ラヴァ・ゴーレムもアリだが、処理した上で妨害を踏み越える必要がある、という根本的な問題は変わらない。

 その意味では、アライバルを素材にしてくる上に、墓地からの特殊召喚を封じ対象を取る効果のみを受け付ける閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)のほうが遥かにキツい。

 

 それとこれは弱点というよりは、使い手の意識の問題だが。サーキュラー実装後は6000アライバルorファイアウォール・ドラゴン&5000アライバルが通常展開で可能となったが、後者のパターンでは3ターン目以降メインモンスターゾーンが埋まっていることが多いのでイグニスターAiランドによる展開がうまくできないことがある。この辺りは使うプレイヤーの側で、展開ルートを意識しておくべき。

 

 

このデッキは規制されることはあるのか?

 斬機サーキュラーは、元々紙の遊戯王では、Power of The Elements(POTE)というパックで出たカード。同期のティアラメンツなどがもっとイカれてたのだが、マスターデュエルではサーキュラーが先に来ることになった。

【@イグニスター】に限らず、サーキュラー出張が増え目立つなら規制される可能性もある。しかし、マスターデュエルの運営は新規カードが入ったパックが売られているときには直接規制せず、他のテーマカードや汎用カードを規制する傾向があるので、【@イグニスター】本体に規制が入る可能性もある。

 2023年1月現在、マスターデュエルの通常のレギュレーションでは【@イグニスター】は無規制。しかし、リンクReg.というリンク召喚テーマのイベントでは【コード・トーカー】のメインギミックであるマイクロ・コーダーと並んで、ピカリ@イグニスターが制限カードにされたことがある。

 

bitter-snowfall.hatenablog.com

 

 もし将来【@イグニスター】に規制がかかるとすれば、ピカリに来る可能性が高そうである。仮にピカリに規制がかかる場合、純粋に初動が減るのはたしかなのだが、一番の問題は各種魔法カードがサーチしにくくなること。特に、こちらの先攻→相手の後攻→こちらの3ターン目や、相手の先攻→こちらの後攻の2ターン目の展開に支障が出る。Aiドリング・ボーンやキ-Ai-をもってこれないというのは決定力の点でかなり痛い。

 ただ、サーキュラー出張規制でサイバネット・マイニングに制限・準制限がかかる可能性があり、これまでのマスターデュエルの規制傾向的にも有り得そうではある。

 さすがにそれはないとは思うものの、サーキュラー含め各種初動が2種類以上規制されれば、安定性が下がることは間違いない。その場合、マイクロ・コーダーとサイバネット・コンフリクト出張セットを入れる必要も出てくるかもしれない。

*1:D5→D4で7戦、D4→D3で15戦、D3→D2で14戦、D2→D1で5戦の合計41戦。途中グダらなければ30戦くらいで終われただろう

*2:紙の新規カードのファイアウォール・ドラゴン・シンギュラリティはリンク6なのでダンマリを活用できる他、ダンマリが初手に来るパターンが上振れ展開になるらしい。

*3:手札誘発は、増殖するG、灰流うららは複数枚入れて後は好みで決めていいだろう。個人的には、烙印&墓穴対策なら屋敷わらし、フィールド魔法や相手の頭数を減らせる幽鬼うさぎくらいは入れておくほうがいいと考えている。ニビル、ヴェーラーは抹殺の使命者用でも入れると役立つがデッキの枠と要相談。儚無みずき、朔夜しぐれまでは入れなくともいいが、ライフ回復に効果無効と全く役に立たないわけではない。浮幽さくらは、唯一使いにくい。なぜなら、ジ・アライバルを超えてくるようなEXデッキのカードはアクセス・コード、アストラム、クルヌギアスあたりだが、アクセスはともかく他2枚を入れる枠がない。まだアストラムは出すことはできるものの、クルヌギアスに至っては入れても特殊召喚することはほぼほぼ不可能だからだ。

*4:ダークインファント@イグニスター2枚、ライトドラゴン@イグニスター、ウィンドペガサス@イグニスター、ダークナイト@イグニスター、サイバース・ウィキッド、アップデート・ジャマー、スプラッシュ・メイジ、トランスコード・トーカー、デコード・トーカー・ヒートソウル、アクセスコード・トーカー、ジ・アライバル・サイバース@イグニスター

*5:アストラムなら一応、クアンタム・ドラゴンと似た役割を担える。ただし、両者の効果の適用範囲には微妙な違いもある上、アストラムのバウンスは受動的

*6:リリース当初の紙の環境とは異なる「マスターデュエル独自の環境」とやらが現実感を持っていた頃は、リミットだけでなくルール面でも独自のものが来るのではないかとの声も一部あった。それでもEXデッキの枠を紙の15枚より増やすという意見はあまり聞かなかった、と憶えがある

*7:サーキュラーが来る前のリンクReg.ではアライバルを立てる代わりに、同じ素材でアストラムとヒートソウルを構える動きが流行っていた。この場合、ブルルでガッチリを落としメイジで蘇生してヒートソウルの素材にすることでアストラムに耐性をつける。実際、そこからサーキュラーが来るまでの1~2ヶ月はアライバルの隣にヒートソウルやアストラム(耐性つき)が狙えるなら、6000アライバルよりもそちらを狙った方が格段に勝ちやすかった

*8:相手がアストラムを出しているということは、手札のダンマリで攻撃を止めていない限り、アライバルは突破されている。そこからドヨンで墓地のアライバルをEXデッキに戻した上で、攻撃力3000以上のジ・アライバルとジャマーを立てるのは難易度が高すぎる。

*9:初手にアチチとピカリが揃っているとき、アチチでヒヤリをサーチし、ダークナイトでブルル・ピカリ・ドヨンを蘇生しブルル+ピカリでウィンドペガサスを特殊召喚した後、ピカリでペガサスのレベルを4にする。次にヒヤリを特殊召喚し効果でダークインファントをリリースし、ガッチリをサーチ。レベル4モンスター4体でダランベルシアンを出して効果を発動し虚無空間をサーチ。そしてダランベルシアンを対象にガッチリの効果を使い特殊召喚して、スプラッシュ・メイジ。効果を使用し、ダークナイト・メイジ・残り1体で攻撃力3000のジ・アライバルに、伏せに虚無空間という構えをとる

*10:虚無空間以外で、サーチするのに利点があるカードとしては、典型的なところだと神の宣告、レッド・リブートのようなカウンター罠。フィールドに置くモンスターの数を制限するカイザーコロシアム、融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラムメタになる次元障壁、墓地封じのマクロコスモスや次元の裂け目だろうか。ただしこの場合でも、結局相手に突破された場合・刺さらなかった場合3000アライバルでは貧弱という問題が残る

*11:完全に余談だが。この虚無空間サーチルート、注目はされたものの思ったよりマスターデュエルでは流行らなかった印象。少なくとも私は対面してて1度も見たことがないし、ほんの数回使っただけですぐ普通の型に戻した。もちろん人によって体験や印象は違う可能性は大いにあるのだが。だが、あんまり流行らなかった≒そこまで強くなかった?理由は、当時の環境が大きかったように思える。元々、虚無空間サーチルートはジ・アライバルに対する壊獣対策だったのだが、当時は壊獣カグヤがかなりのシェアを誇っていた。このときはヌメロンもかなりいたのだが、実はヌメロンはリミッター解除か墓穴の指名者がない限り、アライバルを壊獣でリリースしても3体目の攻撃後にウィンドペガサスのバウンスができたためそこまで驚異ではなかった。それに対して、壊獣カグヤは特殊召喚が得意な一方、バック除去を積んでいなかったため、虚無空間サーチが注目されたのだろう。しかし、この時期は2~3試合に1回エルドリッチに当たるくらいエルド環境であった。仮に先攻で虚無空間サーチをしたとしても、後攻側がエルドリッチなら手札からエルドを捨てて虚無空間を墓地へ送り、そのまま攻撃力3500のエルドでアライバルを戦闘破壊できていた。わざわざ2枚初動で虚無空間をサーチするのは、リターンはそこまで悪くなくとも実はかなりのハイリスクだった。以上が、私の思う虚無サーチルートがマスターデュエルであまり流行らなかった理由だ

*12:とはいえ、相手視点でダークインファント、ダークナイト、メイジ、トランスコードに無限泡影を使わずダークフルードへ撃つか?というのはある

*13:墓穴、抹殺は絶対入れる。あとなんだかんだガン伏せは怖いので、ハーピィの羽根帚はマスト。ライストは案外役立つが、イグニスターAiランドがあるときに使いにくい、守備モンスターは破壊できないのは気になる。サンボルはライストより一段優先順位が落ちる。それなら、永続罠・カウンター罠対策と無限泡影対策も兼ねてレッド・リブートをガン積みかコズミック・サイクロンやツインツイスターを積むのがよいだろうか。

 禁じられた一滴、冥王結界波、無限泡影は好きなのを何枚か入れるのが丸い。アルデクとか結界像+制圧モンスターが流行ってるなら結界波から場を荒らしてジ・アライバル。そこまでの制圧ではないけど効果無効や除外・処理が面倒なカードが多めなら一滴。そういうことをあまり気にしないなら無限泡影ガン積み。これを書いている2023年1月現在は、一滴>無限泡影>結界波な印象。

*14:若干回数は変わり得るが、最初に通常召喚した下級(例えばアチチ)の効果にチェーンして増殖するGを喰らい、そのままジ・アライバルまで行った場合、アチチ→①ダークインファント→②ピカリ→③サイバース・ウィキッド→④ドヨン→⑤トランスコード・トーカー→⑥ブルル→⑦ウィキッド→⑧ダークナイト→⑨アチチ→⑩インファント→⑪ブルルとピカリ・ドヨン・アチチの中から2体の合計3体→⑫ウィンドペガサス→⑬ブルルの効果で蘇生したピカリかドヨン→⑭スプラッシュ・メイジ→⑮メイジの効果で蘇生したモンスター→⑯ジ・アライバル。合計16枚相手にドローさせるのは現実的ではない。もちろん後攻では10枚くらいドローされてもそのターンでライフをゼロにする必要があるのだが……。