苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

デュエリストカップ2023 March:先攻ゲーをどうにかする気はあるのか?【遊戯王マスターデュエル】

 

 3回目のデュエリストカップ(DC)、今回も銅アイコンを獲得した。

 正直、前回嫌になるくらい見た神碑(ルーン)と今回も相見えることばかりで面白みはなかった。先攻ゲーっぷりが加速している中、勝ち星を積み重ね続けるDCはルール面から手入れしない限り、今後も面白くないイベントという印象は拭えないだろう。

 

 

 

デッキレシピについて

 

 前回のDCから斬機サーキュラーが来て、さらにGゴーレム・クリスタルハートが実装されたことが構築面だけでなく、実戦面でも大幅な強化を受けたと言える。

 この数ヶ月でジ・アライバル型→サーキュラー実装→ダークフルード型→クリスタルハートと構築・展開ルートの変遷*1があって、以前書いたメモ代わりの記事も更新するか、古い展開ルートをどこか別の場所に移す必要がありそう。

 

bitter-snowfall.hatenablog.com

 

Gゴーレムクリスタルハートで変わったこととして、

・以前の【@イグニスター】は、トランスコード・ウィキッド・ブルルからダークナイトに入り、メイジはダークナイト後に使うというのが基本だった。

・サーキュラー後はメイジ・トランスを温存する(ダークナイト後に使う)と最終盤面が少しだけ強くなる

・トライゲート・ウィザード使う場合は、メイジ・トランス温存が前提。

・Gゴーレムクリスタルハートを使う場合は、ダークナイト前にトランスコードを出すのは必須で、めぐりAi初動のような場合もメイジからトランスコード→メイジ蘇生を経由してダークナイトに行くことが必須になった。

 

 あと、初動がどれか1枚+もう1枚特殊召喚絡みのカードを引いて、ウィキッド+下級+1体からダークナイトに入れば、最終盤面一歩手前がこのようになる。

 

 これは、普通ならクリスタルハートと下級でヒートソウルを出せる(=往復2ドロー)なのだが、EXデッキにリンク1がいればエクストラリンクもできる盤面ということに着目して欲しい。サーキュラー実装前から、手札が尋常じゃなく良い場合&専用のEXデッキ構築をしているという限定ではあれ@イグニスターでエクストラリンクは狙えたようだ*2が、Gゴーレムクリスタルハートはその要求値をかなり下げてくれた。

 

DC感想とゲームバランスについて

 

 今回1万位ボーダーは14353と、過去2回と比べて(第1回:13356、第2回:12229)上がっている。単純に考えて、1~2勝分ボーダーが上がったとは言える。ただ、今後もこれくらいになるかは不明。今後も15000ptくらい稼げば1万位には安定して入れそうではあるが。

 個人的な感想としては、1stステージは珍しくコイントスが公平だった。表が3~4回連続が2度ほどあったり、表裏裏表裏表表……みたいに裏が3回以上来ることは滅多になければ表も比較的出てくれるという感じで、コイントスアルゴリズムか仕様でも変えたのか?とそのときは思っていた。だが2ndステージで裏10連続になったとき、このゲームゴミカスだな、と改めて認識した。そのせいでこれまでと同じくらいのポイント稼ぐのにムダに試合重ねてしまった。

 

 今回のDCは、

・前回以降から今回までにルーンへの規制が甘かった

・スプライトのような次世代デッキがパックの販売期間から野放しだった

・斬機、エクソシスターを筆頭とした環境~準環境とそれ以外のデッキとの格差

 これらに伴う先攻ゲーっぷりを改めて露呈したと言える。

 

 昔は鉄獣、今はスプライト辺りのできる選択肢が多いデッキって対面してて時間がかかることが多くて、後攻だと相手の長いターンを待っていることになる。

 冥王結界波とか誘発持ってればまだ我慢できるが、なければサレ。相手も全員が全員DC金アイコンとかじゃないから、明らかにプレミしたり弱い盤面で終わったりすることもある。そのため、何とか勝ちを拾おうと頑張るも相手がいちいち優先権で長考してくるというのはストレスフル。おまけに、何とか捲くろそうな盤面でさぁこっちのターンだ、となった瞬間増殖するG投げられるみたいなの、間違いなく人が辞めていく原因。

 これ、次の項目で触れる4月10日の制限改定とも関わるのだが、シングル戦ってマッチ戦に運の要素が強い。安定性とかよりもその場その場の上振れ、引けたもん勝ちを助長する。展開しまくってドローしまくって6~7妨害敷いて何もさせないとか、先攻側がハンデス特殊召喚封じするとかも酷いが、伏せてからでないと発動できない代わりに強力な効果をもった罠カードが先攻ゲーを加速させている。

 これを改善するには、①ルールに手を入れるか、②制限改定をよりシングル戦向きにするか、③後攻をある程度システム面で優遇するかのいずれかしかないだろう。

 ①はOCGにはないマスターデュエル独自のルールを設けることになる(②とも重なるが)。後攻のマリガン(引き直し)、先攻側のカード使用制限などいろいろ考えられるも、既にあるものを変えるのは難しいことから、実現はまずないだろう。

 ②は、リミットレギュレーションをより厳格にする、またはデュエルリンクスであるように特定のカード群からは指定された枚数しかデッキに入れることはできないようにする、ことが考えられる。私は、今のマスターデュエルのTier1~3くらいまでのデッキ全部に厳格な規制かけるか、特定デッキは手札誘発等の投入枚数を制限する(例えば、スプライトカードと増殖するGを同じデッキに投入できないようにするとか)くらいしないと、もう無理だと思っている。

 ③は単純な話で、後攻で勝ったらボーナスを挙げる。デュエリストカップならポイントは2倍になる(せめて1.5倍は絶対)、ランクマなら2勝分くらいにしないと先攻ゲーの中で後攻になった側が報われない。そこで先攻とって勝てばいいじゃんというのは、コイントスゲー・初手運ゲーを正当化しているだけ。

 

 下の画像は、DC2ndでふわんだりぃずの先攻盤面から1度も通常召喚せずに捲った試合。

 

 相手の伏せは夢の街に月の書。マイニングでシグマを落とし、サーキュラーをサーチ。サーキュラーから入り、月の書で裏守備にされたモンスターをヒヤリでリリースしてガッチリサーチ。後は、1回も通常召喚しないように展開してアプデアクセスで勝ち。

 これプレイングで勝てた面ももちろんあるが、正直たまたまこの手札だったから勝てた以外のことはない。もしヒヤリがいないと月の書で積んでいたし、イグニスターAiランド素引きしていないとえんぺんで積んでいた。

 マスターデュエルやってると、確かにプレイングや読み合いで勝敗が決まる場面や環境デッキ同士の一進一退の攻防なんて試合を経験することが、たしかにある。実際、そういうのは自分が経験してても楽しいし見てても楽しい。だけど、そういう手に汗握る熱い試合ってお互いの手札が事故ってないとか、最低限展開札は揃っているとか、ついでに誘発もあるとかそういう大前提があって、はじめて成立するのであって、プレイングや読み合いが成立する試合になるには、そもそも運の要素が立ちはだかってくる。DC然りランクマ然り、そこの辺りをもう少し汲み取ったシステムにしてくれれば、だいぶ楽になると思うのだが……。

 

 その先攻ゲー(コイントスゲー、初手ゲー)の最たる例が、今回のDCであった不正だろう。負けてもその分のポイントが減らないチートをしていて、バレた原因は【エクソシスター】で魔法族の里を貼る構築だったから、という。さすがにそんな露骨な先攻特化の上振れ前提構築していたら、チートも疑われる*3

 というか、「エクソシスターに里」という疑われかねない構築だったから判明しただけで、DCは相手のデッキレシピが見れないので怪しい相手がいても泣き寝入りな可能性が高い。

 正直、チートと聞いても「ああ、やっぱり」な印象が強い。というのも、普段ランクマとかやっていても、回線点滅していたりやたら応答に時間がかかっている相手が、手札の引きが尋常ではないまでに良かったり、こっちの手札や伏せ見えてるのかと思えるような挙動してたり、ピンポイント過ぎる解決札引いていたり、というのが極々稀にある。これらは確率的にあり得ないというわけではないが、オンラインゲームでのチートや不正というものに慣れていると、心のどこかで疑ってしまうときはある。多少のことなら、プレイングとか引きが強いとか読み合いということで気にしないのだが。これらはあくまで疑いレベルだが、過去にも不正やBot、チートはあったのでDCの件は氷山の一角に過ぎないと思う。もちろん、何でもチートと疑うのは良くないとしても。

 

 

 

制限改定

 DC終了後の3月30日、4月10日以降の制限改定が発表された。時期的に、DCの結果考慮されていなさそうである。

 

 

 まず一言。1ヶ月遅い。

 この改定を1月早く行っていれば、少なくともDCでルーンは減っていただろう。特に、言いたいのがふわんだりぃずへの規制で、私は謎の地図を準制限か制限にするのは必須と思っているが、ここ2~3ヶ月はふわんだりぃずは神碑相手に数を減らしていた。繰り返しになるが、私はふわんだりぃずの理不尽っぷりは今でも相当だと思うので、この規制は妥当と考えているが、最適なタイミングはもっと前にあった。なぜこのタイミングかという理由を明示する必要はあるだろう。

 次に、永続罠カード。罠カードは、強力な代わりに伏せないと使えない(1ターン遅れる)というデメリットがあるが、そりゃ先攻で伏せたもん勝ちになるわなという話で、規制するのは良いが、サービス開始から1年以上経過してるのだしもっと前にやっておくべき機会はいくらでもあったはずと言いたい。2023年4月のOCG制限改定でスキルドレインが制限になったのに合わせたのだろうか。まぁここで、センサー万別残すからまた余計な邪推をされるのだが。

 ネクロフェイスへの規制。実際、DCでもイシズデッキ破壊はそこまで見ることはなく、もっぱらシラユキ蘇生してリンク増やすのが勝ち筋のデッキと言ったところだった。イシズギミックでの墓地肥やしに依存しているため、後攻側が誘発投げてもデッキ破壊してきたり増殖するG投げるものなら嬉々としてデッキ破壊するような印象がある。が、実際はこれ以上無いほど運に左右されるタイプのデッキで、後攻では弱いので先攻を取る必要がある。先攻取れても墓地肥やしが微妙ならサレ、と看板倒れな感が否めなかった。とはいえ、先攻デッキ破壊なんて運ゲーの極めなので規制は当然。要は、【DDダイナマイトBot】と同じということか。

 そして、ルーンのテーマカードである泉と穂先が準制限に。泉への規制は、こちらも2023年4月のOCGでの規制に合わせたのだろうか。ただまぁこちらも先月までの段階でやっておくべきだった。ドローソースとかテーマ内のカードではなく、本命のデッキエンジンに手を入れないとしぶといのは、考えなくとも分かること。

 というか、マッチ戦のOCGでスキドレが制限、泉が準制限なら、シングル戦のマスターデュエルはスキドレ禁止、泉は準制限くらいはやってもいい。結局ルーンの理不尽さは、フギンのサーチ&破壊肩代わりと泉の張替えによるドローなわけで。どうせスプライトとくっついて生き残るだろうし、元を断つ必要がある。

 

規制されなかったカードについて

 ある意味、本題。今回DC分の規制は入っていないように見受けられること、パック販売中のスプライト、エクソシスターへのそもそも手を入れてないことを除くと、長く環境に居座る烙印、そして斬機への規制がないことが気になる。

 これはスプライトへの対抗として残したと考えられるが、そんなことするよりもTier1~3くらいまでのデッキまとめてしばき上げるくらいしないと、このゲーム先細りすると思う。9割のデッキからしたら、烙印(というよりは烙印融合)も斬機(というよりはサーキュラー出張と超階乗)は環境壊してる側。

 

 その意味で、超融合が無制限化というのも、これで烙印融合対策しろということなのかもしれないが、超融合は烙印側も普通に使うので何がしたいのだ?と言いたい。

 もしかしたら、スプライトがよくやるエルフ+マスカレーナの盤面で超融合使うと、アースゴーレム@イグニスターを出せるというのも、緩和した理由かもしれないが……。

召喚条件がサイバース族モンスターとリンクモンスターなので、マスカレーナ(サイバース族)とエルフ(リンクモンスター)で出せる

 

 これ【@イグニスター】的には、気をつける必要があって、モンスターを並べるダークフルード型なんて超融合のエサで、ガッチリ@イグニスターの耐性をつけてるダークフルードは生き残るが、ファイアウォール・ドラゴンとトランスコード・トーカーは食われる。サーキュラー始動なら、ガッチリは基本いないのでダークフルードも食われる。

 おまけにアースゴーレムは、融合召喚したターン受けるダメージが0になるので、後攻から捲くろうとしたとき、相手が伏せてた超融合でダークナイトとダークインファント素材にされるわ、アースゴーレム出されてワンキルできないままターン返すなんてこともあり得る(なんなら、闇属性2体並べたらスターヴヴェノム出されるかもしれないわけで)。当然、超融合なので発動にチェーンは不可能。

 おまけにスプライト対策で、アースゴーレム使うのは①このためだけに超融合入れるのは論外、②ドシンのついでにAiラブ融合入れるにしても枠を食うし、ドシンからサーチのせいで1手(なんならドシンをサーチするなら2~3手)遅い、③EXデッキにアースゴーレムを入れる枠がないという問題がある。

 なので、対・超融合という1点だけなら、元から効果を受けないジ・アライバルに分があるものの、環境的には逆風なので結局ダークフルードに頼るほかはなさそうである。

*1:厳密には、ダークフルード型→クリスタルハートの間にトライゲート・ウィザード投入型の話もある

*2:画像は残していないが、自分もソロモードでウィキッド・トランスコード・ファイアウォール・ジ・アライバルまではできて、右のエクストラモンスターゾーンが空いた状態まではできたので多分可能だったと思われる

*3:使ってないと分からないかもしれないが、下級エクソシスターは魔法使い族だが、エクシーズモンスターは戦士族。魔法族の里の条件を満たすには、下級棒立ちENDか、相手ターンにエクソシスター・バディスかパークスくらい。さすがにDCみたいな数こなすイベントでそんなの毎回上手く行くと考えるのは、余程の強運か不正でもしていないと無理だろう