苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

勇者実装環境前の@イグニスター:遊戯王マスターデュエル

 

 本題の前に。2022年7月6日に『遊☆戯☆王』原作者の高橋和希が亡くなったとの報道に接した。ちょっと受け止めきれないところも多く、何かを言えるわけではないが、もう彼の直筆イラストやデザインカード、『記憶編』の”史実”などが本人の口から明かされることがないと思うと、喪失という言葉が常以上に重く感じられる。

 

 さて、6月・7月もマスターデュエルでダイヤ1を達成したのと、勇者カテゴリー実装前の環境について振り返りも兼ねて。どうせ勇者実装と共に、何もかも過去の環境になるので、こんな時期もあったのだくらいの記録として。

 はじめにダイヤ1に登った日付は、それぞれ6月7日と7月8日。とりあえず上旬くらいに登れて満足(勇者実装前の逃げ切りができてなにより)

左:6月、右:7月

 

 

試合数

 

 6月と7月はダイヤ5からダイヤ1までにかかった試合数も記録していた。それぞれ以下の通り*1

 

 6月:ダイヤ5からダイヤ1まで:合計67試合

 7月:ダイヤ5からダイヤ1まで:合計56試合

 

左:6月ダイヤ5、右:6月ダイヤ1

 

左:7月ダイヤ5、右:7月ダイヤ1

 

 内訳について見ると、6月はダイヤ5から4までに9試合、4から3までに10試合、3から2までに41試合(!)、2から1までに7試合。

 7月は、ダイヤ5→4が15試合、4→3が7試合、3→2が24試合、2→1が10試合となっている。

 両月ともダイヤ3から2に上がるまでが一番試合数がかさんでおり、このくらいが最も難易度が高い印象だった。逆に言えば、ダイヤ2にあがってからは他と変わらない程度で昇格できている。

 

 

ランクマッチそのものについての意見

 ちなみに6月と言えば放置Bot地獄だった。自分の場合はダイヤに上がってからはダイヤ5を除くと全く見なかったが、プラチナ帯はBotだらけだった。

画像はデイリー更新後の休日早朝時のもの。見事にBotだらけだった

 今はBotはそれ専用のマッチング帯に隔離されているようで、7月はその手の相手には遭遇しなかったが、マスターデュエルはこの手の騒動に事欠かない印象なので、また来る可能性もあり得ると思うと不安である。

 Botに関しては開発側は対処しているので、文句はないが、ランクマッチの仕様については不満もある。

 まずプラチナが最高Tierだった頃と比べて、現在は(時間帯や人数不足を除くと)基本的に同Tierマッチ&3連敗で降格という仕様*2で、これがダイヤ帯実装以降続いている。

 これについては、やや窮屈な印象も受ける。マスターデュエルはシングル戦であり、一時期あった連勝による繰り上げ式の昇格がなくなったのも相まって、コイントス・初手・相手のデッキとの相性も含めた運によって勝つ・負けるという要素がどうしても排除できないため、一気に連敗してTierが下がるという局面がどうしても出てくる。現状の仕様は、勝率ではなくいかに連続で勝てるかで昇格のしやすさが決まっているため、やや理不尽感の伴う場合も出てくる。というか乱数の偏りとかも含めて、大体コイントスが悪い気がする。

 極端な話、先行とれても手札事故そうでなくとも後行向き、逆に後行で捲り札なしというのが連続で起これば(そしてピン刺しカードの初手での偏りなどは起こり得る)敗北の確率があがる=降格の可能性が出てくるため、そこを割り切りれるかと言うと、ちょっとどうか、とは思う。

 

 また、「勝てば昇格」「負ければ降格」の表示が自分だけでなく、相手にも見えるというのは廃止したほうがいい。これが見えたからといって何か意味があるとは思えない。故意かは判断できないが、「勝てば昇格」のときにコイントスに勝って先行を取った瞬間、切断されたこともあるので、そういうのを排除するためにはこの表示は消したほうがいい。

 

 

 これに関連して、

・同Tierマッチングをランクマッチでは±1のTierにまで、フェスではダイヤならダイヤ、プラチナならプラチナの全Tierとマッチングするように変える(せめてフェスだけでも±1範囲のマッチングにして欲しい)。

 

コイントス切断対策の延長線上で、回線や制限時間周りも手を入れて欲しい。マスターデュエルはもう少し制限時間を短めにすべきだし、放置や通信切断(not サレンダー)には厳しく当たるべき。そして、回線相性が悪いなら対戦が成立しない・マッチングしないように仕様を変えるべきだと思う。とりあえずさっさと回してこっちにターン渡せ、それとこっちのターンでお前が悩むな俺のターンだぞと思うことがないような仕様にして欲しい*3

 

より頻繁な制限改定を

 次の環境の話とも重なるが、より頻繁な制限改定を行って欲しい

 1月のリリース、5月の初回改定、7月には改定なしとなると3ヶ月周期の改定を行う予定と考えられるが、正直これでは遅いと思う。売上や新規カード実装等も鑑みる必要のある紙と異なり、マスターデュエルはカード自体は紙の後追い&対戦数やユーザーのトライ・アンド・エラーやメタの流行が紙とは違うということを考慮して、最低月に1度の制限改定でも良いのではないか。

 特に、メインギミックに手を入れたものの、他のテーマとの兼ね合いから各種永続罠を大量に積んだエルドリッチが結局流行していることからすれば、3ヶ月に1度の改定では腰が重いのではないか。より頻繁に制限・緩和を伴う改定をしてユーザー間の流行やメタに合わせて行くほうが合理的ではないか。そうでない今は、ユーザーの飽きをもたらすだけだ。

 

デッキレシピについて

 はじめに6月と7月で使ったデッキについて。

 まず6月は、以前までと同じレシピを採用。

 

 

 これに対して7月は対戦相手や仮想敵、そしてこちらの展開等について色々考えた結果、デッキを少し変更。

 

 とりあえずファイア・フェニックスとアライバルのロイヤル加工が増えた*4

うつくしい……

 

 内容について。まずメインギミックでは、ヒヤリ@イグニスターとガッチリ@イグニスターを投入。以前は、僅かでも事故率を下げたくて投入を躊躇っていたが、攻め手と展開ルートを増やす方がよいと判断して、投入。

 ガッチリはめぐりAiでのサーチにも対応(地属性のトランスコードを見せる)しているため、各種EXデッキのモンスターに耐性を付与したり、リンク数を伸ばしたりしやすい。

 特に、アクセス・コードへ耐性を付与できるというのがありがたい。先行でイグニスターAiランドのサーチを止められても、手札にヒヤリorガッチリさえいれば、スプラッシュ・メイジ→トランス・コードの流れにガッチリを加えて、攻撃力5300の耐性持ちアクセスを出して相手ターンを凌げる可能性を残せる(最悪ファイア・フェニックス)というのは妥協展開としては十分。先行のみならず、ニビルを貫通して勝つというパターンを多くあり、今まで投入していなかったのを反省した。

 またよく知られた話だが。ヒヤリ・ガッチリ採用に伴い、イグニスターAiランドサーチのためのケアが一つ増えた。アチチでヒヤリサーチ、ヒヤリを特殊召喚→アチチでリングリボー→ヒヤリでリングリボーをリリースしてガッチリをサーチ→ガッチリを特殊召喚してガッチリでインファントを出す→チェーン1でインファント、チェーン2でガッチリと組めば、相手の灰流うららケアが出来る(無限泡影やヴェーラーが飛んできたら、墓地のリングリボー効果でインファントをリリースする)。

 

 その他の汎用カードでは、ドロール&ロックバードを抜き、レッド・リブートを採用。

 まずドロバは刺さり自体は悪くない場面はあるものの、相手側からは飛んでくる場面が明らかに減ったことでデッキから抜いた。代わりに、各種罠デッキや相手の無限泡影対策のレッド・リブートを採用。ただこのデッキは虚無空間サーチギミックを積んでいないため、虚無にしろリブートにしろ(あるいは結界波やライストもそうだが)ドローできているかつ刺さる場面なら強いが、そうでないなら死に札というのはある。虚無の刺さりは悪くないものの、5月とくらべて壊獣はやや減った感もあり、デッキ枚数を少しでも減らすという意味では今後も要検討だ。

 デッキ枚数が43と多めなため、その他の誘発は未採用。幽鬼うさぎやヴェーラーは、自分が使う/相手のカードを抹殺の指名者で対策するという点でも悪くないが、これ以上デッキを重くしたくないというのを優先した。増殖するGや灰流うららも初手で欲しいが被りは…という考えなので2枚のまま(屋敷わらしは、相手の墓穴やデスフェニのような墓地効果持ちを止めるため変わらず採用)。

 なお相剣や今後くる勇者対策としてのトークン・コレクターだが、採用するかどうかは考えもの、と個人的には考えている。サイバース族特有の制約との競合、ピンポイントメタは他のデッキへの意識を減らすことにもなるため、そこがどうしても気になってしまう。

 後は、そろそろサイバース・クアンタムドラゴンの刺さりが悪くなってきた。相手の戦闘・破壊耐性もちをどかせるのは大きいが、先行等でアライバルの隣に置いても今はラヴァゴでリリースされる可能性の方が高く(むしろ壊獣よりもラヴァゴの方が多い可能性がある)、採用については考える必要がありそうだ。

 

 

環境デッキについて

相剣

 一番多いのはやはり相剣(デスフェニ搭載型よりは、非搭載型が増えたか)。アライバル対策に承影やブラッドローズを出されることは増えたが、それでも絶対数からすれば出されるのは1割あるかないか程度と少ない。こちらと向こうの誘発が通る・通らないを除けば結界波とライストがあるかないかで勝負が決まる。

 

エルド

 5月→6月→7月とシェアが増えている印象。改定を受けて永続罠で封殺していく型が増え、相剣かエルドかくらいの数の多さ。こちらがアライバルを立てさえすれば、昔のようにグスタフからのリーベという流れは減ったものの、先行ガン伏せからの勅命・虚無率は上がっている。トークン・コレクターやロンギヌスを投入していない、虚無空間サーチ型に移行しない(できない)のは、エルドが多いというのがある。

 おそらく勇者実装後もエルドと付き合う羽目になりそう。

 

電脳・幻影

 多分相剣とエルド両方をメタっている電脳と幻影(あまり詳しくないので違うかもしれないが)。特に電脳は、第3位くらいの遭遇率。逆に幻影はいまのところは事故な印象。4月くらいと比べても数は少なくなった気がするし、7月期は遭遇すると毎回誘発を引けず負けている。

 電脳はこちらの誘発が通るか否か、こちらがアライバルを通せるかで勝ち負けが決まる。さきに相手にVFDを出されると負け、逆にアライバルを出すか、そこまで行けずとも何かしらこちらが優位な形でのゲームメイクさえできれば、ロンギヌスなしでも勝てる相手。

 

閃刀姫

 5月と比べ、数は減った印象。相変わらずの誘発率なため全て止められると厳しい。逆に、アライバルを立てる、相手のハヤテをダンマリやアチチ墓地効果で止めるなりで、エンゲージや各種魔法にアクセスできないうちに仕留めることができれば、勝てる。個人的には、こちらのターンでも無駄に時間かける相手という印象がやはり消えない。

 

壊獣カグヤ・ヌメロン

 壊獣カグヤやヌメロンは遭遇率第4位くらいの印象。相剣メタと思われるが、電脳やエルドあたりと競合しているような気も。5月の壊獣祭りと比べると、やや数が減り、ラヴァゴのシェアが増えたようにも。

 あまり語ることがないため、相変わらず地雷枠というか。相手の後攻1ターン目を生き残れるかどうかな相手としか言えない。

 

鉄獣

 ダイヤ帯実装前から数が減った。個人的には相剣よりずっと強いし厄介な相手だと思うのだが、不思議なものだ。

 十二は相手(の腕前と引き)にもよる。相手が変なタイミングで妨害を撃ってくるなり、甘えた動きをしてくるなら勝ちやすい。逆に相手がアクセスコードを雑に使ってくるならダンマリやペガサスで対処して終わる(これはドランシアやアーゼウス、デスフェニにも言えるが)。

 逆にLL型は数が少ないが、出会うとほぼこちらが負ける。制圧盤面の双龍・結界像(or巨神鳥)・抗戦・未来竜王あたりを結界波やライストで処理できたとしても、アライバル相手にスターリング等で自爆特攻されてこちらが負ける。

 十二型や純鉄獣なら付け入る隙や勝ち目があっても、LL鉄獣には相手が自分の使ってるカード効果を知らないとかでないなら本当に勝ち筋が見えない。ダイヤグラム9:1でこちらが不利。多分一滴で手札4枚切ってガッチリアプデアクセスでワンショットくらいしか勝ち目が思いつかない。

 

 あとこれは閃刀姫やカグヤ相手もそうなのだが、デッキ単位で不利な(とまでいかなくとも弱点となる)相手に対しては、相手側が手札にある誘発をどこにどのタイミングで切るか/切らないかでこちらが勝てるかどうかが変わる。(結果論も含め)相手のミスでこちらが勝ちを拾える場合もあるし、こちらのミスがなくとも相手がミスしなければどうあがいても勝てないという場合はある。それは割り切るか、適度に愚痴って次の試合しかない。

 

@イグニスター(ミラーマッチ)

 正直ミラーマッチは月に1度あるかないかくらいの珍しい組み合わせだし、大体①こっち(相手)の誘発が通るか通らないか、②こっち(相手)の展開が通るか通らないかで勝ち負けが決まるとしか言いようがない。ほぼ一本道だから使い手はどこ止めればいいか分かってるし、極論先行側が抹殺の指名者でイグニスターAiランド宣言すればそこで試合が終わる。

 そうでなくとも相手の出した5000~6000アライバルをガッチリアプデアクセスで突破するか、6000アライバルで倒すかで終わる。本当にそれしか言いようがない。

 

 

 対策

 今までは使い手側の視点ばかり語ってきたので、一応対@イグニスターについても語るのがフェアだとは思ったので、書く。

 ただ使い手としては、「絶対これが正解はない」に尽きる。

 よくイグニスターAiランドをサーチするインファントにうららやヴェーラー、無限泡影を撃てばいいと言われるが、それは素引きや初手ピカリという裏目がある。

 ならば初動のサーチ魔法または通常召喚で出てくる下級を潰せばいいか。たしかに本当にそれしかないパターンもあるが、手札に他の下級や蘇生札があれば通常展開にほぼ戻ってしまう。

 初手アチチなら手札に他の下級がない可能性はあるが、別に100%そうとは限らないし、初手めぐりAi→ドヨン→チェーン1インファント、チェーン2ドヨン墓地効果の可能性もある(初手ブルル通常召喚だけは、本当にアチチ・ピカリ・めぐりAiがなく、せいぜいドヨンしかいないパターンかもしれないが……)。

 ニビルも、トランス・コード、ウィキッド、下級の場面で撃つのはトークンをリンクスパイダーに変えてからの、下級特殊召喚でメイジ→フェニックスや、蘇生札2枚でダークナイトからのインファントに移行できてしまう。

 ならばダークナイトまで待つのが良さげに見えるが、相手に優先権が頻繁に移ってしまうのを見てる時点で@イグニスター側は、余程のことがない限り、無限泡影ケアのリングリボー、ニビルケアで3000アライバル(トランス、ウィキッド、下級)やガッチリアクセスとかで対策してくるだろう。

 そうなると一周回って、正直に初動を潰すのが一番となるかもしれないが……と裏目がループしていく。故に正解はない、というのが使い手としての誠実な答え(のつもり)である。

 

今後

 どうせ勇者相手に死ぬほどブチ切れる羽目になるので、来月が今から怖い。

*1:一応各Tier昇格時点での記録は所持しているが全て貼ると画像が多くなりすぎるので、ダイヤ5とダイヤ1時点でのスクショのみ掲載

*2:ただし降格については、3敗してから次の試合で降格ではなく、2連敗すると次の試合から「負けると降格」が出るという仕様のはず……

*3:以前から主張していているが、多少ルートを考えるくらいなら構わないのだが、それにしてもダイヤ帯でも環境デッキの展開に分単位で長考される場合、こちらのターンなのに妨害や伏せを使うかどうかで分単位を使われるというのはあまり気分がよいものではない。偏見でもあるが、そういう風に長考する人が、プレイングや判断が良いかというと私にはあまりそう思えない。むしろ判断が早い人のほうが上手いことが多い印象を受ける一方、無駄に時間を使ってターンを渡してきた挙げ句、ソリティアの結果の盤面がおかしかったり、こちらが捲くるとサレンダーではなく即通信切断してくる相手というのも結構見かけるので

*4:基本的に、自分はカード生成で手に入れていることが多い。画像で言えば屋敷わらしも冥王結界波も生成で手に入れている