苦雪のブログ

本やゲーム・映画についての感想を備忘録代わりに時折書きます。基本敬称略。

Apex Legends シーズン9:始まる前が最高潮だった

 

 シーズン9が終了する。盛り上がる要素をふんだんに取り入れたローンチトレーラー。Titan Fallシリーズを彷彿とさせるレジェンド・ヴァルキリーの追加。目玉の新要素、アリーナ。新武器・ボセックボウ。と目立つ要素・話題になる要素も多いシーズンだった一方で、事前の期待感を尽く台無しにするようなことも多かった。まさしく始まる前、トレーラーを見ているときが最高潮だった感も否めない。そんな印象。

 あと野良でアリーナをやるのはバトロワ以上に苦行な所がある。実力どころか、人間性やマナーも込みでの味方ガチャを強いられるくらいなら、絶対フルパ組んだほうがいい。

 

 本題に入る前に、今シーズンの戦績から見ていこう。上から順番にバトロワ(カジュアル)、アリーナ。もうランクマッチをやる時間も根気もない……。

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 バトロワ(カジュアル)は勝率12.6%、キルレ1.7。こんなものだろう。

 アリーナは最高9連勝。10連勝達成できるかどうかの試合で、単独特攻即ダウン赤ピン&助けて連呼からの即抜けリザルト0ダメ人間引いて、そのまま人数不利で負けました。

 

 さて、ここからはシーズン9全体について語っていこう。

 毎シーズン開幕の鯖落ちは風物詩の感もあるAPEXだが、シーズン9のそれは尋常なものではなかった。常の倍以上の鯖落ち時間に加え、そこにアイテム・トラッカー等初期化バグ、初期レジェンドしか選択できないバグ等々。まともに遊べない状態であった。

 そこに屈指の壊れ武器、ボセックボウ。速攻の修正を経てからは、選択肢の一つに上がる程度の強さになったものの、下記で触れるように、運営の考えるゲームバランスとユーザーの意見というのを考慮すると、不安の残る一件だった*1

 幸い新レジェンドのヴァルキリーは、シーズン7~8時のホライゾンほどの壊れではなかったのが幸いだったと言えよう。

 しかし、上記のようなゲームバランス・鯖落ち等に加えて、遂にシーズン9でも修正されなかった「人数欠けバグ」は、今シーズンを遊ぶ上で大いに不満を感じさせた要素であった。2~3試合に1回、トリオなら2人、デュオなら1人、何ならトリオでも1人で始まることばかりな状態はゲームをまともにプレイするのが不可能と言うべき状態。大抵の人は、人数欠けの状態ではそのまま退出するかモチベーションが大いに低下する。

 目玉の新要素、アリーナも迷走・調整不足の印象。最初の頃の即抜けの多さから、後付でペナルティを実装した点はここでは措くとして(ペナルティがあるならあるで、放置や自殺といった形での迷惑行為、種々の迷惑プレイヤーと会っても我慢するしかないという問題もあるが)。

 まずアリーナそれ自体は、バトロワに代わるゲーム性、選択肢の一つとしてアリだと思う。しかし、運営が今後アリーナに注力していこうとする姿勢を見せることに対しては、率直に言って不安しかない。以下、私の考えを述べていこう。

 バトロワでは運要素、ランダム要素があるため、強いプレイヤーに対しても勝ち目が出てくるが、アリーナは純粋に撃ち合い・立ち回り・連携の差が如実に出る。

 この点、アリーナの存在自体は、例えばバトロワ以外の選択肢をユーザーに与えたりだとか、撃ち合いの練習として気軽にできるというのが、正の側面だろう。お手軽に戦える・撃ちあえることの利点は間違いなくある*2

 

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 今シーズンも終わりかけの7月冒頭から、これまで全く使ってこなかったパスファインダーを練習がてら使い始めた(なにせ8月現在のバトロワでのパスの勝利数は1である)。今シーズンだけでパスで50勝できたので満足。やはりこのキャラ、使いこなせれば強い。前よりグラップルでの移動・詰め・逃走の方法や感覚が身についたと思う。アリーナは、バトロワよりも銃やキャラを熟達させるにはうってつけだと思う。射撃訓練状だと一々キャラを選択し直したりクールタイム待ちながら練習しないと行けないが、アリーナは実戦かつ即アビリティや特定の武器を使えるから感覚で覚えていきやすい。

 アリーナと言えば、初期は1R~2R目辺りまでLスター&モザンビークが鉄板だったが、Lスターの価格が上がって以降は、ほぼオルタネーター&モザンビーク。これだと1R目からバッテリーも買えるし、火力も十分。2R目からはグレネードを最低2個、3R目以降は常にグレを買う。オルタネーターは当てやすさと火力が程よくて本当に強い。どうして、ケアパケに行くのか……。アリーナの初動にもバトロワの初動でも使える優秀なフルオート武器が……。

 1R目だとモザンビーク最大強化&p2020二段階強化のような構成も強い。ライフラインやミラージュだと1R目から金バッグを買いたいので、1R目はモザンビーク二段階強化、2R目からオルタネーターとなる(ライフラインで金バッグ買わない人、遮蔽がないとか敵が目の前にいるとか蘇生不可能なタイミングでもないのに蘇生しない人もの凄く多いが、それなら別のキャラ使えば……?となる)。

 それにしてもアリーナのモザンビークは強い。特に2倍スコープやデジスレ付きモザンビークはパーティクラッシャーのように遮蔽越しでの撃ち合い、遠くを移動する相手への刺し合いになるステージでは、メイン武器で撃つよりも効果的な局面もあると思う。当たらないウィングマンより当たるモザンビーク

 3R目以降だが、ここからは好きな武器でいいと思う。基本はメイン武器にバッテリー1~2本、グレは最大数、後はアビリティとウルト。サブ武器は基本モザンビーク。余裕が出てくる後半ラウンドで神サブ武器のRE-45なり、強力なEva-8なり、無難なピースキーパー、オルタネーターとかでいいと思う。基本はメイン武器とグレで戦うつもりで。

 そのメイン武器だが、自分は基本的にフラットラインを使っている。R-301ではダメージに比して弾の消費が激しい。基本は二段階強化で2倍スコープつき。余裕が出始めたら最大強化(ただアンビルレシーバーでの単発撃ちはあまり使わない。バトロワと違い、交戦距離が近めなので切り替えの余裕がない)。やはりフラットラインは制御が難しい分、火力は高いし、近距離の腰撃ちが特に強い。

 他には比較的安い割に、強化すればターボチャージャーもついてくるハボックかディヴォーション、全距離対応武器としてピースキーパー、安心と信頼の万能武器オルタネーター。

 これらの武器も強いと自分は思うが、やはりフラットラインだ。自分のようなバトロワで、基本メインにアサルトライフル(ASR)で戦い、近距離での詰めやトドメ用にショットガン(SG)な構成が多い人間には、ほぼメイン武器一本でアリーナを戦うことが多かった。

 この辺りは、人によるだろう。ボルトやR-99辺りも何だかんだ強力だ。上記の傾向は、あくまで自分が、ASRかライトマシンガン(LMG)で基本的に戦い、詰めにSGという組み合わせが多いため。以前(シーズン5くらいのとき)はSMGも頻繁に持っていたが、バトロワでは交戦距離を考えるとASR&SMGでは弾持ちが不安なので最近は避けていることも多い。SMGはスナイパーライフル(SNR)やマークスマンライフル(MR)使用時のお供として使うことが多い。あくまで一つの例だが、ASR or LMG& SGか、SMG & MR or SNRといった感じ。

 

(↓ シーズン5時のときの考え)

bitter-snowfall.hatenablog.com

 

 話を戻すと、初期のアリーナは物資優先ムーブな傾向だったが、最近は安置優先ムーブが多めな印象。おそらく後者のほうが動き的にも強い。まぁ当たり前だが。そういう意味では、遮蔽の使い方や回り込みをすべきか否か、撃ち合いに勝つ上での細かい動き方や立ち回り方の練習にもなり得る。


 このようにアリーナの導入による個人的な利点もあったし、ユーザー・ゲーム全体での利点も少なくないだろう。しかし、逆に言えば上記の利点がそのまま、不満を生むのかもしれない。端的に言えば、「勝てない」ことによる不満がバトロワの比ではない。ユーザー層の多様性、個々人の実力差・ゲーム理解度を差し置いても、現状のアリーナの仕様は、プレイヤー個人の腕や努力ではどうにもならない部分で負けさせられる感も強い。

 一般にこの手の対戦式の勝負は階級だったり、ランクが上がっていくと勝率が5割前後に収束していくと言われていく。実際に私の場合も、始めの頃は勝率が6割強だったのが、最終的に5割程度に落ち着いた(プラスマイナス5%のブレや試合回数が増えれば当然勝率が下がりやすいという点があるとしても)。これ自体に文句はない。

 問題は、勝率が収束していく要因が、強い相手と戦って負けるから・相手がうまく戦ったからというよりも、自チームと相手チームの戦力差が始めから著しい形で組まされていることで負ける、という印象が強いことである。

 アリーナのマッチングは、どうも所属する三人の腕前を平均して組んでいる様子。だが、全く戦力が均等に組まれているようには思えない。もちろんバッジやトラッカー以外にも直前の試合の戦績等も考慮しているのだろうし、時間帯もあるのだろう。が、プレイした感じだと、相手チームの戦力>自チームの戦力な局面もしばしば。負けるにしてもできる限り公平・平等感のある前提が欲しいのだが(あくまで”感”である)、そこで上手くいっていない。

 先に述べたようにアリーナはバトロワ以上に、個々人の腕・連携力・立ち回りが出る。だから、一人でもやらかすと立ちどころに負けに繋がりやすい。もちろん自分がやらかす側になることもあるのだから、これを言うのは不毛な争いを呼ぶことになる。しかし、現状のアリーナは「自分のせいでもなく、相手が強すぎるせいでもなく、こいつ(味方)がやらかしたから負けた」感を与えられやすいな、と思う。他人のやらかしというのは、1度や2度ならそういこともあるとか、たまたま不調なときだったのだと思えるが、3度続けばさすがに文句の一つも言いたくなるだろう。

 おまけに現状は、野良とフルパーティでマッチングが分けられていない。実力が備わり連携の取れるフルパ相手では、野良だと厳しい。例え1ラウンド勝てても対策や戦法で逆転負けされる可能性大なのだから。人数が欠けた状態で始まることもあるのに、人数不利な側に、何か不平等を埋める恩恵があるわけでもない。

 シーズン10で来るアリーナのランクマッチじゃないのだから、そこまで気にしなくてもという意見には一理ある。しかし、カジュアルとはいえ戦績に残る以上、どうしても勝ち負けに拘泥してしまうのもまた確か。始めから勝ち負けしかないアリーナの場合、1試合ごとの勝ちと負けがより切実になってしまう側面もあるだろう。それなりに「ガチ」ってしまうと、自分も相手も許せないという人もいるだろう。

 ましてや単に、撃ち合いや立ち回りの上手い下手ならば、いわゆる味方ガチャとして流せるにしても、待機中に味方を殴ったりするプレイヤー、死体撃ち・フィニッシャーキャンセルなどの迷惑行為がバトロワ以上に横行しているのはどうなのだろう。そこに現状は、途中抜けの原則禁止。一般プレイヤーからすれば、迷惑プレイヤーと出会っても我慢を強いられるのも辛い所だろう。

 現在PS4版では、通報しようとしても相手のPSNプロフィール画面に飛ぶだけ。これは何度も言っているが、迷惑プレイヤーを通報することができず善良なプレイヤーを泣き寝入りさせるAPEX運営は、直ちにこの仕様を改めるべきである。シーズン9で即抜け等のバッドマナーに対してもNoと言えるようなメッセージを出すようになったのだから、PS4版でもそれを徹底せよ。それをしないのは、運営の怠慢である。

 話を戻そう。現在のアリーナの仕様では、①そもそものマッチングの不公平感を感じやすいこと、②純粋な自分と相手との撃ち合い・立ち回りの結果で勝負が決まっている感じが薄いこと、が相まって「戦う前から負けさせられている」という印象を抱いてしまうこともある(懲罰マッチングなどと揶揄されるようなシステムを組んでいるとまでは思わないが)。

 あと未だにアリーナでアイテム等にピンを刺しても情報を伝えられないバグ直してないのが許されない。連携面で本当に詰みかねないバグ。

 

 この際はっきり言うと、味方が突撃して即ダウンしても基本「ああそう……」とかため息が出るくらいなのだ。だが、秒間毎に赤ピン連打してきたり、状況考えずに助けて連呼してきたり、味方を殴ってきたり、死体撃ちしていたり、勝手に不貞腐れて即抜けするのが許せないのだ。向上心も反省の気持ちもないのに、プライドだけはプレデターやプロゲーマーすら凌駕するレベル。その癖戦力的にはいないほうがマシレベルの人間に対して容赦の思いを持つのは無理である。「こんな最低なやつと組まされる上、負けるとか理不尽すぎる」というのが偽らざる心境だ。

 おまけにSwitch勢によくあるのが、回線落ち。始末が悪いのが、いわゆる即抜け見たくいきなりいなくなるのではなく、回線落ちマークがついたまま動かなくなる。こうなると、人数不利は背負わされるわ、相手にはそれがバレて一気に詰めて不利を強いられるわ、回線落ち野郎はゲーム内に残ってる扱いのため、そこで抜けるとこっちがペナルティ食らう恐れが大という。先に2ラウンド先取して勝てそうな流れで、Switch勢にこれやられて人数不利からの逆転負け食らったことが何度もある。無線や弱回線でオンラインゲームに来るのはふざけているし、バトロワ以上に味方が迷惑を被る。

 というか明らかに無線かそれに準ずる弱回線で接続していると思わしきSwitchプレイヤーを弾かないでマッチングさせるの本当にあり得ない。マッチング時点で有線・無線で別枠にするか、そもそもプレイヤー側で拒否できるようにすべきである。ラグで試合にならないのもあり得ないが、試合中に接続切れ起こして人数不利作られるのも、クソ回線のせいで切断扱いにならずゲーム的には存在していることになってるからこちらが抜けたらペナルティ喰らいかねないのも含めて、一切合切本当にあり得ない。

 相手の回線見てキックや対戦拒否できる時点で、まだ某バンダイナムコのExtreme VS マキシブーストオンの方がマシである。シーズン8の際も述べたが、SwitchとXbox・PSを一緒にマッチングさせるのは考え直したほうがいい。

 

 今後より公平・平等感を与えるゲーム性や仕様にしない限り、運営がアリーナをいくら推していっても「つまらないゲームを強要されている」と思えてきてしまう。アリーナでのスキルベースマッチをより厳格化する、フルパとそれ以外をマッチングさせないようにする、迷惑行為に対してより厳しく対応する等が必要だろう。現状のマッチングは、初級者~中級者層が割りを食うだけである。この他には、タイブレークで長引いて、泥仕合になりやすいというのもある。もう少しサクッとやれるコンテンツの方がいい。

 ましてやバトロワでもスキルマッチの不具合や人数欠けバグが改善されないままであれば、ユーザーのモチベーションは低下する。ランクマッチもPC版でのグリッチチーターとのイタチごっこ。ついにPS4版に侵入するチーター、と不安を感じさせることもしばしば。

 あるいはイベントの報酬でもあるバッジについても、バランスが相変わらずおかしい。レヴナントのスーパーレジェンドが実装された際のイベントでは、3つ目のバッジを入手する際、2週間でアリーナで50勝しろというのがあった(50マッチ。50ラウンドではない)。今までもそうだったが、毎度イベントのチャレンジは1番目10000ダメージ、2番目が100ノックダウン(orキル)と比較的軽めなのに対して、3番目の条件が尋常じゃなく時間がかかる。誰もが時間と根気があるわけではないのに。

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問題のイベントのチャレンジ。50マッチ勝利は正気ではない。


 

 今後運営がどのような形でゲームの改善を図るのか。それについても正直不安しかない。かつてのヘムロックの大幅な弱体化。コースティックの弱体化(シーズン10で強化と弱体化が両方入る)。それらを彷彿とさせるような出来事が、ボセックボウの速攻修正・スピットファイアの強化からの大幅弱体化である。おまけにシーズン途中には、ワットソンの弱体化を「データを元に」検討しているとの開発側からの声明があって荒れた(前段階として、エモートでネッシーを何個も置けるようなることを「バフ」と称していたことが燃料になっていたこともあるだろう)。

 これらの出来事は、運営の考えるゲームバランスとユーザーの思うそれとの著しい乖離を印象づけたし、明らかに使用率が増えると思う強化を入れて、それで皆が使い始めると産廃レベルで弱体化の流れを繰り返している。シーズン10の新武器、ランページはヘビーアモ武器で低レートながら高威力、と。また悪さをしかねないか不安である。

 話を戻す。運営に対する信頼感という面では、①大幅強化を経て暴れると強化以前よりも弱くなる調整をする、②修正・調整に際してデータを挙げることが多いが、それをユーザーにすべて開示するわけでもなく、ユーザーからの意見を封殺するという形で持ち出す、③ユーザーの声を聞くにしても、かつてのコースティック・ヘムロック・スピットファイアではプロゲーマーや競技シーンばかりを観ている節がある。以上が、しばしば言われるし、聞く話である。

 特に③は何とも言えない。まず私個人は、「プロゲーマーがこう言った・ああ言ったでしかゲームを語らないプレイヤー」は嫌いである。動画サイトで誰の配信を見ようと好きにすればいいが、プロとか配信者の意見を参考にして練習するわけでもなく、ただ有名人の権威でもって語ったり、「ゲームの話」ではなく「ゲームをプレイしているプロや配信者」の話しかしないのはどうかと思う。得てして、動画映えとかで話は盛られがちであるし。個人的に、長年FPSで問題視されている死体撃ち・煽り行為、APEXでは特に多いチート、そして時に言われるサブ垢スマーフ。サブ垢スマーフや死体撃ち・煽り行為は、時折プロ・配信者の中にもやっている人がいる辺りで、益々嫌になる。

 

 話を戻すと、APEXの開発は一応競技シーンと一般プレイヤーの違いを認識し、調整を慎重にしていはいると思う(例えばジブラルタルの扱いなどを見ても)が、ユーザー・運営両方共、派手な競技シーンやプロ基準で物事を語る・判断しがちな傾向もまた否定できない。

 その一方、先のワットソンの件など一般ユーザーの意見や使用感を端から無視するつもりに思えてくるような事態も起こすため、いまいち信用が置けない。シーズン9からマッチの後に、「このマッチは満足いただけましたか」というアンケートが来るようになった。が、これが微妙である。何しろ「はい」か「いいえ」しか選択できない。「はい」「いいえ」で答えることに何の意味があるのか、「どの部分」に満足/不満足なのか聞いてこない時点でほぼ無意味なアンケートである。

 私が今やっている原神というゲームでは定期的に任意のユーザーアンケートが送られてくる。それには各イベントごとにいくつかの質問項目があり、回答にも自由記述欄も含め、複数の部分から「どの部分が満足か」「どの部分が不満か」を選択できるようになっている。

 APEX運営はまず一言目には「データ」というが、一番はユーザーの声のはずである。中には開発側としてすぐには実現できない箇所、無理な箇所もあるだろう。しかし本気で「データ」と言うならば、自分たちがつくるゲームがどのようなデータを根拠にしているか、ユーザーに分かりやすく解答すべきであるし、各ユーザーの意見も蔑ろにしてはいけないはずである。他ゲームに倣えとまでは言わないが、「はい」「いいえ」しかなく、どういう意図で聞いてるかも分からないし答えてどういう風に集計されるか分からないアンケートは、ユーザーを馬鹿にしているとして思えない。

 極論、ユーザーの意見を参考にしないのならば、形ばかりのアンケートなど出さず、始めからはっきりとそう言えばいい。競技シーンやプロの声だけ聞くのもいい。目玉や話題として「壊れ」武器やキャラを出して、後で大幅弱体化するのもいい。ただし、遠回しにユーザーを「データを分かっていないやつ」扱いしたり、「開発側の苦労も知らない癖」に的な批判をするスタッフなどを許すようなことは、断固としてNoと言いたい*3

 

 結局の所、試行錯誤をする他ない話である。しかしアリーナの件にしろ、ゲームバランスにしろユーザーへ与える公平感というものが、シーズン9ではないがしろにされていて、それが「始まる前が最高潮」との印象をもたらしたのではないか。

 アリーナは現状の2チーム間の勝負以外にも、例えばウィンターエクスプレスのような3チーム同士での争い、チームデスマッチ、5対5とかとにかく色々なゲームモードを追加して、少しでもユーザーの抱く「味方のせいで負けた」感を減らすのはどうだろうか。

 現状の3人対3人のゲームモードでは感じることの多い不満も、人数が増えるなりチームが増えるなりすれば多少は薄まる可能性もある。お祭り感があるモードが追加されれば、勝ち負けよりも大事な要素を抱けるかもしれない。

 むろん簡単な話ではなかろう。ユーザーの分散化もそうだし、ゲーム自体にも改善や試行錯誤は必要だろう。例えばウィンターエクスプレスでも、3チーム同士での戦いながら、1チームでもゲームの仕様(列車を一定時間占拠)を理解していない部隊がいるとゲームが成り立たなかったりしたし、コースティック・ワットソンの有無で有利不利が変わったり、味方にガス缶やフェンスをわざと壊されたりといったこともあった。

 結局、何か結論じみたことも出せないし、展望が一ユーザーに出せるわけではない。しかしモチベーションが低下しつつあるという面では、シーズン9「以降」に期待よりも不安を抱くことの方が多かった――そんなシーズン9であった。

 

 最後に、シーズン10の予想…のようなものをしてみたい。おそらく、シーズン9みたいに1~2週間での速攻下方修正が来る可能性は低くない。それも今シーズンのボセックのようなたった一つの武器ではなく、複数のキャラや武器で。

 まず間違いなく、新キャラのシアの性能が尋常じゃなく強いため、暴れるだろう。そしてアビリティの性能が戻ったホライゾンも再び暴れる。シアとホライゾンほどではなくともコースティック辺りも一部で猛威をふるうかもしれない。逆にシアとホライゾンが暴れることで、ブラハやパスは相対的に減るがまだ生き残るだろう。一番被害を受けるのはクリプト・ワットソンだろう。

 武器もボセックよろしくランページが暴れる予感がする。低レートとはいえ一発28ダメージの高威力っぷりはバレルMODや使用者の指切り次第でエゲツない瞬間火力を叩き出すと思う。運営は高威力低レートのLMGとして実装したつもりかもしれないが、実態は低威力高レートのマークスマンライフルのようなもので、G7やリピーター以上のレートで溶かされるという事態が頻繁に起こると思う。そこにシアのアビリティ等がくると、迂闊な顔出しや身体晒しで一瞬で死ぬor起こしてもまたすぐ死ぬみたいな展開になるかもしれない。

 圧倒的なランページの影に隠れる形で、フルオートが消されたとはいえ火力と精度はケアパケからそこまでいじられていないプラウラー、マガジンとバレルMODがつけられるようになり実質大幅強化のLスターが準二強的な立ち位置に登るのではないか。ディスラプター付きのオルタネーターもこれに追随するレベルだがケアパケ武器なので前三者ほどではないだろう。しかし、一度拾えれば圧倒的な武器であることは間違いない。

 もちろん、これらは予想である。実際に始まってみての使用感や周囲の環境次第であろう。ただ、どうも私にはシア・ホライゾンといった壊れキャラ、ランページといった壊れ武器とその下のプラウラー、Lスター(そしてディスラプオルタ)がシーズン序盤で猛威を振るうのではないかと思えてならない。外れてくれることを祈ろう。

*1:シーズン8終了時の記事で、追記としてシーズン9初期の話は詳しく述べたのでここでは触りだけ。

 

bitter-snowfall.hatenablog.com

 

*2:一時期、バトロワで即抜けするプレイヤーがアリーナに流れて結果的にそちらの対策にもなるのでは?との観測をする人もいたりもした。今思えば、これは微妙な所。そもそもああいうのは、武器ガチャの運ゲーで一方的に撃ち勝つか何も考えず適当に降りて戦うことしか考えてないので、アリーナにそういう人らが来てもその人らがまた勝手に拗ねて即抜けしたり、今では自分が戦犯なのに放置したり味方に迷惑をかけているのではないだろうか

*3:この下りは、上述のワットソンの弱体化検討の話が生じたとき、プロゲーマーが反論した際、開発側スタッフから出た発言を踏まえている。詳しくは各自で調べていただきたいが、私は少なからず憤りを憶え、以前から抱いていたAPEX運営に対する不信感が益々増幅された。